傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所熊本地方裁判所
事件番号令和6(わ)73
判決日2025-06-24
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、被害者に生じた背部・下肢打撲、右橈骨骨折等の傷害結果
が被告人の暴行によって生じたか否かである。
2 被害者の負った傷害は他者からの暴行によるものか
⑴ 被害者の受傷内容や受傷原因等に関する証人D(以下「D証人」という。)
の供述は以下のとおりである。D証人の供述は、解剖経験や専門的知見に基づ
き、被害者の受傷内容や受傷原因等を合理的に説明するものであり、特段その
信用性を否定すべき事情は見当たらない。
ア 背部
背中の大部分、背部の広範囲に皮下出血群、筋肉出血群があるところ、左
右肩甲骨の周囲、胸椎周囲(背中の真ん中あたり)の筋肉内に高度の出血が
認められ、鈍体による擦過、打撲又は圧迫により形成されたと考えられる。
損傷が広範囲に及び、出血の程度も高度であることからすると、自傷の可能
性はまず考えられず、一度の転倒で複数の箇所を損傷することも不可能であ
るから、他者の暴行により生じた可能性が高い。
イ 下肢
次に、左右の下肢の広範囲に皮下出血群、筋肉出血群があるところ、左膝
の内側から左下腿内側に広範なデコルマン(圧迫的に伸展されて、表皮や真
皮には損傷がなく、皮下脂肪織と筋膜とが剥離した状態)及び右下腿外側に
デコルマンが形成されている。デコルマン形成時の痛みや、下腿を自傷する
場合の力の強さ等を考慮すると、被害者が自傷によりデコルマンを形成する
ことは、自らが高所から飛び降り、壁に擦るように墜落するような場合でな
い限り、現実的には難しく、不可能であると思う。仮に被害者が衣装部屋の
棚から落下したとしても、その高さが約2mであることに照らすと両下肢に
デコルマンが生じる可能性は低い。そうすると、両下肢のデコルマンは、被
害者が長座又は臥位の姿勢をとっていたところ、他者がかかと等で強くねじ
るように体重を乗せて踏みつける行為により形成されたと考えられる。また、
被害者の左下腿内側に「コ」の字型の傷があり、その末端部に表皮剥離片が
あることから、左側のデコルマンが同損傷の原因となる行為によって形成さ
れたとすると、腹臥位の姿勢をとっていた被害者に対し、他者が幅2.5c
m前後の棒状の鈍体を被害者の身体の背側から腹側に極めて強くねじるよ
うに圧迫する行為により生じたと推定される。
ウ 右橈骨骨折
また、被害者の右橈骨の中央部に横骨折が生じ、右前腕橈側には皮下出血
があったが、一般的に転倒による場合、手をつくことで橈骨遠位端を骨折す
ることが多いし、被害者の右前腕に凹みや擦過傷がみられないことからする
と、被害者が転倒・転落したことにより右橈骨を骨折したとは考え難い。そ
うすると、被害者は、右前腕橈側への鈍体による強い打撲作用により右橈骨
を骨折したと推定される。
⑵ 被害者の背部・下肢打撲、右橈骨骨折については、D証人も指摘するとおり、
背部の

主文(判決文より)

被告人を懲役9年に処する。
未決勾留日数中380日をその刑に算入する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。