事件の基本情報
| 裁判所 | 熊本地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)575 |
| 判決日 | 2025-10-08 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ Eの言動の国賠法上の違法性 ⑵ 安全配慮義務違反の成否 ⑶ Eの言動と精神疾患の発症及び自殺との間の相当因果関係 ⑷ 原告らの損害額 ⑸ 素因減額の可否 4 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点⑴(Eの言動の国賠法上の違法性) (原告らの主張) ア Eは、平成10年頃から令和元年頃までの間、Dの24時間勤務明けに、 多いときは月三、四回自宅を訪問し、早くとも正午頃、遅い場合には夕方 頃まで滞在し、「反省会」と称して業務指導を行い(以下「言動①」という。)、 平成30年4月頃から令和元年12月頃までの間、Dに対し、業務時間中 に携帯電話や内線電話で頻回に架電し、業務知識に関するクイズを出した り、台帳整理を依頼したりし、Dが質問に答えられないと強く叱責するこ とがあった(以下「言動②」という。)ほか、令和元年10月頃、Dに対し、 非特定防火対象物(共同住宅)の台帳(対象物件約2000件、台帳冊数 約500~600冊)を市町毎の分類から所轄毎の分類に整理し直すよう 依頼し、Dは、同年12月頃までの間、上記の分類作業を余儀なくされた (以下「言動③」といい、言動①及び言動②と併せて「Eの言動」という。)。 イ Eの言動は、通常の公務員として行うべき指導の範囲を遥かに超えたも のであり、国賠法上違法な公権力の行使に当たる。 したがって、被告は、国家賠償法1条に基づき、損害賠償責任を負う。 (被告の主張) 争う。 ⑵ 争点⑵(安全配慮義務違反の成否) (原告らの主張) 公共団体は、公務員に対し、公務員が国若しくは上司の指示のもとに遂行 する公務の管理に当たって、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよ う配慮すべき義務を負っているところ、被告はEの言動によってDの生命及 び心身が危険にさらされないよう配慮すべき義務を負っていたにもかかわら ず、これを怠った過失がある。 したがって、被告は、安全配慮義務違反による損害賠償責任を負う。 (被告の主張) 争う。被告は、DがEとの関係に悩んでいることを知ることができなかっ たから、損害賠償責任を負わない。 ⑶ 争点⑶(Eの言動と精神疾患の発症及び自殺との間の相当因果関係) (原告らの主張) ア Eの言動は、Dに対し強度の心理的負荷を与えるものであり、これによ り、Dは不眠、不安症焦燥感、胃痛及び手足の発汗等が出現して、うつ病 等により入院し、自殺するに至ったから、Eの言動と精神疾患の発症及び Dの自殺の間に相当因果関係が認められる。 イ G病院におけるDの診療録に、Dの精神疾患の発症及び死亡の原因がE の言動にある旨記載されていないのは、Dが医師に対してEの言動につい て訴えることができなかったからであった。また、Dの反復性うつ病性障 害の原因疾患は、適応障害であってASDではない上、G病院の精神科医 であるF医師は
主文(判決文より)
1 被告は、原告Aに対し、3540万6828円及びこれに対する令和2年4 月28日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、2414万8952円及びこれに対する令和2年4 月28日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 3 被告は、原告Cに対し、2414万8952円及びこれに対する令和2年4 月28日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用はこれを10分し、その3を原告らの負担とし、その余は被告の負 担とする。 6 この判決は、第1項ないし第3項に限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。