事件の基本情報
| 裁判所 | 熊本地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)346 |
| 判決日 | 2025-11-25 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、殺意の有無、すわなち、被告人が人が死ぬ危険性の高い行為を そのような行為であると分かって行ったかどうかである。 2 被告人は、被害者を殺すつもりはなく、連れ出して話をすることが目的であり、 同人に催涙スプレーを噴射したが予想外にも抵抗されたため、気絶させようとし て、被害者の背中側から右前腕を被害者の首に回して絞めた、被害者が抵抗して いたので、次は片手で背後から被害者の首を手の指でつかみ、それでも気絶しな かったので、再度右前腕を被害者の首に回して絞め続けたところ、被害者はだん だんと力が弱まっていって抵抗がなくなったので気絶したのだと思ったと述べる。 被害者の遺体の司法解剖を行ったA医師は、一般に、頸部の気管、総頸・椎骨 動脈、内頸静脈のいずれかが完全に閉塞されると約3分で脳の機能停止が起こり、 自発呼吸が停止するところ、被害者の左右眼瞼等に溢血点(毛細血管からの微細 な出血)があったことからすると、被害者は、少なくとも約3分間、内頸静脈を 完全に閉塞させるのに必要な2キログラム以上の力で連続して首を圧迫され、脳 の機能停止による自発呼吸の停止を経て数分後に心臓が停止し死亡したと考えら れ、このような経過は、被告人の供述する暴行態様とも矛盾しない、なお、被害 者の舌骨右大角等が骨折しており、固定した舌骨にまっすぐ力を加えて骨折させ るのに必要な重量は平均3.11キログラムであるなどと供述する。A医師は、 法医学等の専門家として豊富な経験を有し、その供述内容も被害者の負傷状況を 踏まえたもので不自然、不合理な点はなく、高い信用性が認められる。 以上によれば、被告人が被害者の頸部をその抵抗を排除しつつ同人が動かなく なるまで腕及び手指で絞め付けたという事実は被告人供述によって認定でき、A 医師の供述も踏まえると、被告人は、少なくとも人の脳が機能停止して窒息死す るのに必要な相応の時間、被害者の頸部を相当程度の力で絞め続けたと認められ る。首を絞めるという行為自体が人の生命を奪う危険性の高い行為であることに 加え、上記のとおり、頸部の圧迫時間の長さや強さからすれば、被害者に対する 上記行為が人を死亡させる危険性の極めて高い行為であったことは明らかであり、 被告人においても、自らの意思でその行為を行っている以上、そのことを当然認 識していたといえる。 3 もっとも、被告人は、被害者が声を出さなくなったので気絶したものと考え、 同人が意識を取り戻しても声を出せないようにするため口にガムテープを貼った などと供述する。 確かに、催涙スプレーや被害者を運び出す際に入れた布団収納袋を持参してい ることや、被告人から被害者等に対して送信されたLINEのメッセージの内容 等からすれば、被告人としては、被害者方で同人を殺害しようと計画したり、と っさに同人を殺害
主文(判決文より)
被告人を懲役18年に処する。 未決勾留日数中330日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。