雇用契約上の地位確認等請求事件(通称 新潟県私立高等学校非常勤講師雇止)

事件の基本情報

裁判所新潟地方裁判所
事件番号平成19(ワ)880
判決日2010-12-22
分類労働
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張
(1) A雇止め及びB雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されるか。
(原告らの主張)
ア 期間の定めのある労働契約であっても,実質において期間の定めのない
労働契約と異ならない状態が存在する場合,又は,雇用契約の継続が期待
され実際に更新が重ねられてきたような場合には,解雇権濫用法理が類推
適用されるところ,下記①ないし⑤からすれば,原告らと被告との間の雇
用契約はいずれも,実質において専任教員と同じく期間の定めのない雇用
契約と異ならないというべきであり,仮にそこまでいえなかったとしても,
非常勤講師としての雇用関係継続が期待されていたというべきであり,解
雇権濫用法理が類推適用される。よって,A雇止め及びB雇止めが有効と
いえるためには合理的な理由が必要である。
① 原告らの仕事の種類・内容は専任教員と実質的に差異がないこと
(ア) 高校教員は,専任教員であろうが非常勤講師であろうが,授業を
通して生徒に対し,中学校における教育の基礎の上に高度な普通教
育・専門教育を施そうと,一般的な教養を高め,専門的な知識・技術・
技能を習得させようと研さんを積み重ねるのであり,高校教員の仕事
の中心は授業活動である。
被告高校において,担当授業の決定は前年度末に開催される担当教
科決定会議で行うところ,平成17年度より前は,原告ら非常勤講師
も同会議に出席し,専任教員と一緒になって授業の担当・分配を決め
ていた。原告らも専任教員と同じく,担当する授業時間は一人で授業
を行っており,授業スタイルは,専任教員・非常勤講師の区別はなく
各自に任せられ,その中で原告らは,自分自身で創意・工夫し授業を
実践していた。授業に使用する教材の研究と選定,生徒に配付する小
テストやプリントの作成,課題・レポートの点検,授業や実験の準備・
後片付け,テストの作成・採点,成績の評価,生徒に対する評価,補
習についても,原告らは専任教員と変わらない職務を果たしていた。
このように,授業活動において,原告らの仕事の種類・内容は専任教
員と実質的に同じであった。非常勤講師は,専任教員の時数を補完す
るためのスポット的職務ではない。
(イ) 専任教員の1週当たりの授業持ち時数が長年最大15時間であっ
たのに対し,原告Aは,昭和57年度から平成14年度まで(昭和5
9年度を除き)10ないし16時間,原告Bも,平成元年度から平成
14年度まで(平成7年度及び平成12年度を除き)10ないし15
時間であり,専任教員にほぼ匹敵する授業持ち時数であった。また,
原告らは,授業をしていない空き時間についても,学外に出るのでは
なく,学校内において,授業準備等を行っていた。
(ウ) 被告高校の教員室の席の配置は,専任教員と非常勤講師とで区別

主文(判決文より)

1 原告Aが,被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあること
を確認する。
2 被告は,原告Aに対し,47万8800円及びこれに対する平成1
9年12月26日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Aに対し,平成20年1月から本判決確定の日まで,
毎月25日限り5万3200円及びこれらに対する各支払期日の翌日
から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4 原告Bが,被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあること
を確認する。
5 被告は,原告Bに対し,76万6080円及びこれに対する平成1
9年12月26日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
6 被告は,原告Bに対し,平成20年1月から本判決確定の日まで,
毎月25日限り8万5120円及びこれらに対する各支払期日の翌日
から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
7 訴訟費用は被告の負担とする。
8 この判決は,第2項及び第5項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。