清和電器産業損害賠償

事件の基本情報

裁判所福島地方裁判所 いわき支部
事件番号昭和63(ワ)61
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

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主文(判決文より)

一 被告らは各自、原告全国金属産業労働組合同盟福島地方金属に対し、金二五万
円及びうち金二〇万円に対する昭和六三年一一月二〇日から支払済みに至るまで年
五分の割合による金員を支払え。
二 被告らは各自、原告全金同盟福島地方金属清和電器労働組合に対し、金一一〇
万円及びうち金一〇〇万円に対する昭和六三年一一月二〇日から支払済みに至るま
で年五分の割合による金員を支払え。
三 原告らのその余の請求はいずれも棄却する。
四 訴訟費用はこれを一〇分し、その一を被告らの、その余を原告らの各負担とす
る。
五 この判決は、第一、二項に限り、仮に執行することができる。
事 実
第一 当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告らは各自原告らに対し、それぞれ金五五〇万円及びうち金五〇〇万円に対
する昭和六三年一一月二〇日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支
払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
3 第1項につき、仮執行宣言。
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
第二 当事者の主張
一 請求の原因
1 当事者
(一) 原告ら
(1) 原告全国金属産業労働組合同盟福島地方金属(以下、「原告福島地方金
属」という。)は、昭和四〇年五月九日結成された、福島県下の金属関係労働組合
を構成員とする連合団体たる労働組合である。
(2) 原告全金同盟福島地方金属清和電器労働組合(以下、「原告組合」とい
う。)は、昭和六三年一月一〇日結成された、被告清和電器産業株式会社(以下、
「被告会社」という。)に勤務する労働者をもつて組織された労働組合である。
原告組合は、右同日原告福島地方金属に加盟し、その構成員となつた。
(二) 被告ら
被告会社は、電器部品の生産及び加工並びに右に付帯する事業を目的とする株式
会社であり、被告aは、被告会社の代表取締役であつた者である。
2 被告らの不当労働行為
(一) 団体交渉拒否
(1) 原告らは、被告会社に対し、昭和六三年一月一一日、原告組合の結成を通
知するとともに、同月一八日に被告会社の第一工場内において、「暫定労働協約の
締結について」外二項目を議題とする原告組合との団体交渉をすることを申し入れ
たが、被告会社は、同月一八日に至り、原告組合に対して後記のような「質問、申
し入れ並びに回答書」と題する書面を提出し、かつ今後の交渉は全て文書でする旨
通知した。
(2) これを受けた原告らは、原告組合の役員四名、原告福島地方金属の役員三
名が右同日、被告a外二名と面談して、被告会社の前記書面の質問事項は団体交渉
の中で解決すべき事項であるなどと主張して団体交渉の開催を申し入れたが、被告
会社側は右質問事項に対する文書回答が団体交渉開催の前提条件だと主張して譲ら
なかつた。
(3) そこで、原告福島地方金属は同年一月二五日被告会社に対し「警告書」と
題する書面を発して重ねて団体交渉の開催を求めるとともに、原告組合は事態の進
展をはかるため同月二八日被告会社の前記質問事項に対し文書で回答した。
(4) しかし、被告会社は同年二月八日、原告組合の回答は抽象的である等とし
て再度の回答を求めるとともに、前記(1)の団体交渉の申入れの際に原告組合が
提示していた労働協約・協定案についても、これを一切認めず従前通りとする旨文
書で回答してきた。
(5) 原告らは、この間の同年一月一九日、福島地方労働委員会(以下、「地労
委」という。)に対して団体交渉応諾の斡旋の申請をなしたが、被告会社は同月二
六日これを辞退し、同月二八日には労働委員会規則六二条の二に基づく実情調査を
も拒否したため、地労委は同月三〇日斡旋を打ち切つた。
(6) 原告らは同月二九日、地労委に対して、被告会社の団体交渉応諾、支配介
入行為禁止及び陳謝文の掲示等を求める不当労働行為救済申立てをなした。地労委
は、より急を要する団体交渉応諾の件を分離して、まずこれを審理し、同年三月二
日、被告会社に対し、原告組合が同年一月一一日付で申し入れた団体交渉に速やか
に応ずるよう命じる命令を発した。
(7) しかし、被告会社は、右命令書の交付を受けた後も、原告組合との団体交
渉を拒否したうえ、右命令を不服として、同年三月一六日、中央労働委員会(以
下、「中労委」という。)に再審査の申立てをした。これに対し中労委は、同年一
〇月一九日、「会社が文書による回答、申入れ及び対案の提示をする方式に固執
し、直接話し合う方法による交渉に応じないことは、会社が労働組合法にいう団体
交渉に応じているものとはいえない。」として、右再審査申立てを棄却する命令を
出した。
(8) しかるに、被告会社は、右中労委の命令が出された後も、右命令を不服と
して東京地方裁判所に行政訴訟を提起し、その後の原告らの数回にわたる団体交渉
の申入れに対しても、従前同様文書での回答、申入れに終始し続けている。
(二) 支配介入
(1) 被告会社の総務課長b(以下、「b課長」という。)は、昭和六三年一月
一九日午前九時、被告会社の朝礼において、出席していた日勤の被告会社従業員及
び夜勤明けの従業員全員に対して、前記「質問、申し入れ並びに回答書」と題する
書面を配付した。
右書面の内容は、原告組合に対し、原告組合が労働組合法上適法に結成されたも
のかどうか、自主的な組合なのかどうか、組合の役員及びその権限はどうなつてい
るのか、組合員の名簿があればその提出を求める等の質問ないし要求をし、また、
「一部管理監督者が中心となつて、その職務と権限を利用し、または、職務を放棄
し秘密裡に組合結成を準備し、組合活動を行つたとのことであるが…」とか、
「『知らないうちに勝手に組合員にされて困つている』、『一部管理監督者が職務
と権限を利用し、組合加入活動をしたのでやむを得ず加入した』など数多くの問い
合わせがきています。」などと述べたうえ、原告組合に対して、「加入を強要した
り、従業員の名前を勝手に使用することのないよう」申入れ、更に、「組合からの
脱退に関しても、自らの意思で脱退することは自由であり、組合がこれを拒否した
り、阻止したりすることはできない。」等の見解を述べるというものであつた。
(2) 被告aや当時被告会社の専務取締役であり、現代表取締役であるc(以
下、「c専務」という。)らは、昭和六三年二月中旬から同年三月上旬を中心に、
組合員であるd、e、f及びgらに対し、社長室に呼びつけあるいは自宅に訪問し
たりして、「労働組合ができると会社が潰れる。」「h委員長は信頼できない。」
「組合と心中するつもりか。」などと発言して、原告組合からの脱退を強要ないし
勧誘し、脱退届けを書かせたりした。
(3) 被告会社は、原告組合からの脱退届けの用紙を作成してこれを組合員に配
付し、あわせて、脱退届出記載のマニユアルとして「組合の方針について行けな
い」「考えた結果自分の信念に基づいて決めた」「私の自由意思である」など脱退

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。