損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所福島地方裁判所
事件番号平成24(ワ)193
判決日2015-06-30
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件事故と甲の自死との間に因果関係を認めることができ
るか,②因果関係を認めることができるとした場合,甲の個体側の要因を理由
に損害額を減額すべきか否か,減額すべきとした場合,その減額の割合は幾ら
とするのが相当か,③甲及び原告らの損害額は幾らか,の3点である。
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点①(本件事故と甲の自死との間に因果関係を認めることができる
か。)について
(原告らの主張)
ア 甲は,本件事故のために平成23年3月13日に避難を開始して以降,
うつ病(大うつ病性障害(Major Depressive Disorder)を意味する。以
下同じ。)又はうつ状態(以下「うつ病等」という。)というべき精神状
態の悪化を呈し,同年6月中旬頃には重篤な状態に移行し,同年7月23
日に自死に至ったものであり,本件事故と甲の自死との間には因果関係が
ある。
甲が本件事故とその後の避難生活によりうつ病等を発症したことは,本
件事故と甲の自死との間の因果関係を認定するに当たっての中間事象と
して位置付けられる。本件事故により甲がうつ病等を発症したといえ,さ
らにうつ病等により甲が自死したといえる場合に,本件事故と甲の自死と
の間には因果関係が認められるべきといえる。
イ 甲が本件事故とその後の避難生活によりうつ病等を発症したことにつ
いて
(ア) 本件事故と甲のうつ病等の精神疾患の発症との間の因果関係を判断
するについては,以下のような枠組みによるべきである。
本件事故とうつ病等の発症時期との時間的近接性,本件事故発生前の
甲の生活状況と本件事故及びその後の避難生活における生活状況との
違いが甲に与えた心身的負荷の有無及び程度,他方で,甲の基礎疾患,
精神疾患の既往歴といった個体側の要因等の間接事実を具体的かつ総
合的に判断し,うつ病等の精神疾患の発症及び増悪の要因等に関する医
学的知見に照らし,社会通念上,本件事故による避難生活が甲の心身に
過重な負荷を与える態様のものであり,本件事故にうつ病等の精神疾患
を発症させる一定程度以上の危険性が存在するものと認められる場合
に相当因果関係を肯定することができる。
(イ) うつ病に関する操作的診断基準であるDSM-Ⅳ及びICD-10
を,本件事故後の甲の生活状況の経過に当てはめると,甲は,本件事故
直後の避難生活当初からうつ状態になり,この症状は平成23年6月中
旬には相当程度進行していたことがわかる。
(ウ) 甲の精神状態の悪化を示す諸症状は,本件事故直後に生じ,避難生
活の継続とともに進行したものであり,本件事故と甲のうつ病等の発症
時期との時間的近接性は極めて高い。
(エ) 本件事故後に,甲はⓖ町ⓗでの生活を送ることができなくなり,ⓖ
町ⓗへの帰還の見通しも立たない中で,住宅ローン等の経済

主文(判決文より)

1 被告は,原告乙に対し,1389万0748円及びこれに対する平成2
3年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告丙に対し,631万2134円及びこれに対する平成23
年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告丁に対し,701万2134円及びこれに対する平成23
年7月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,これを3分し,その2を原告らの,その余を被告の各負担
とする。
6 本判決は,第1項から第3項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。