業務上過失致死傷被告事件

事件の基本情報

裁判所福島地方裁判所
事件番号令和3(わ)151
判決日2023-03-24
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、被告人の過失の有無であり、弁護人は、被告人には予見可
能性がなく、被告人は前方左右の見張りを適切に行っていたが、被害者らを
発見することは困難であったとして、被告人には過失がなく、無罪である旨
主張している。
当裁判所は、判示のとおり、被告人に過失が認められると判断したので、
以下、その理由を述べる。
第2 認定事実
関係証拠によれば、以下の事実が認められる。
1 乙湖西部に位置する丙浜湾の状況等
⑴ 本件事故が発生した乙湖西部に位置する丙浜湾は、東側、南側及び西側
が陸地に囲まれた地形である。湾内西側には西側と北側の陸地と東側の岬
に囲まれた入り江があり、入り江内には株式会社eが管理する桟橋(以下
「本件桟橋」という。)が設置され、船舶の発着に用いられていた。本件
事故当時、前記岬の東側には、特殊小型船舶免許試験に使用するブイ12
個が6個ずつ東西2列(以下「本件ブイ列」という。)に設置されていた。
⑵ 乙湖では、乙湖水面利活用基本計画に基づき、水面利活用に係るゾーニ
ング計画が策定されている。当該ゾーニング計画は、各区域の目安を示す
ためのものであり、明確な線引きの上で区分けされたものではないが、丙
浜のある湖西(会津若松)エリアのゾーニング計画によれば、丙浜の西側
岬から約150m以内の区域は、船舶の航行及び遊泳が禁止される船舶航
行禁止区域とされ、150m以遠の区域は遊泳が禁止される船舶航行区域
とされている。
当該ゾーニング計画に関する周知活動は、水面利用関係の各種団体に委
ねられていたが、本件事故当時、丙浜周辺には、当該ゾーニング計画の周
知を目的とした看板等は設置されていなかった。
2 本件当日の天候及び丙浜湾内の状況等
⑴ 本件事故が発生した時間帯には、丙浜周辺は晴れており、猪苗代観測所
における平均風速は秒速3.7ないし4.6mであった。
⑵ 本件事故当時、丙浜湾内では、被告人及びその知人の船舶や、A船の周
囲を航行していた複数の水上バイクのほか、複数の水上バイクやトーイン
グボートが航行していた。
3 A船の形状等
⑴ A船は、長さ10.77m、総トン数6.6tで、二基の推進器に取り
付けられたプロペラが回転することによって推進する船舶である。9名が
乗船した場合の制動距離は、時速10kmでは約8.442mであり、時
速15kmでは約14.173mである。
⑵ A船と同種のプレジャーボートは、増速の過程において船首部が持ち上
がって死角が生じるため、一時的に操縦者から見た船首方の見通しが悪化
するが、更に増速するのに伴って船首部が下降し、船首方の見通しが良く
なるという性質を有する。運輸安全委員会作成の本件事故に係る船舶事故
調査報告書によれば、A船の操縦席から最も死角が大きくなる方向は、正
船首方の見通し線から左舷方約4.

主文(判決文より)

被告人を禁錮2年に処する。
未決勾留日数中40日をその刑に算入する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。