事件の基本情報
| 裁判所 | 福島地方裁判所 郡山支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)207 |
| 判決日 | 2025-09-30 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、民法715条1項、民法717条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 (1) 被告高島屋商店の責任原因(争点1) 〔原告の主張〕 ア 本件事故は、本件建物の厨房に設置されていたガス管が腐食して穴が開 き、そこからガスが漏れ、そのガスに通電引火したことにより爆発した。 イ 土地工作物の占有者責任(民法717条1項本文) (ア) 本件建物のガスボンベからガス消費設備までが一体としてガス供給 の機能を果たすものであるから、厨房内のガス管を含むLPガス設備は、 一体として土地の工作物に当たる。 被告高島屋商店は、被告伊東石油からガス管の貸与を受け、これを使 用、管理していたから、ガス管の「占有者」に該当する。 ガス管の腐食孔からガス漏れが発生したことは、ガス管が通常有すべ き安全性を欠く状態であるから、ガス管の保存には瑕疵があり、かかる 瑕疵によって本件事故が発生した。 したがって、被告高島屋商店は、民法717条1項本文に基づき、本 件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 (イ) ガス管は亜鉛メッキ鋼であり、金属が水分の影響により腐食すること は専門的知識を有するまでもなく予見可能であるから、被告高島屋商店 は、ガス管が水や洗浄剤の影響を受けないよう、本件店舗の厨房を管理 すべきであったが、これを怠った。すなわち、厨房の床面は水溜まりが できていたほか、ガス管が設置されていた流し台の下は水切りができず 濡れており、ガス管はコンクリートの床上に設置され、床との間に絶縁 措置はとられておらず、ガス管は、水や洗浄剤の影響を直接受ける状態 であった。 また、ガス管の腐食は、令和2年4月24日時点で発生していたはず であり、目視により腐食を確認することは可能であったから、ガス管の 性状を日常的に確認することで瑕疵は発見できたはずであるが、本件店 舗の店長は、その確認を怠った。 以上のとおり、被告高島屋商店は、ガス管を特に腐食の危険が高い状 態で使用しており、かつ、ガス管を目視して不具合を確認することもし ていないから、ガス管の瑕疵の発生を防止するための全ての注意を尽く していたとはいえず、民法717条1項ただし書により免責されること はない。 ウ 不法行為責任(民法709条) 被告高島屋商店は、ガス管を含むガスの消費設備を適切に維持し、ガス 漏れを起さないよう注意すべき義務を負っていたが、本件店舗の厨房の床 面は常に水で濡れており、床面に露出配管されていたガス管を常に水の影 響下に置いていた。ガス管は水の影響を受ける場所での使用が認められて いない白管(亜鉛メッキを施したSGP鋼管)であり、特に水の影響を受 けやすく、腐食孔が開くことを容易に予見できた。また、ガス管の腐食の 程度からすれば、令和2年4月24日以前から相当程度腐食が進んでいた はずであり、被告高島屋商店は、ガス管の性状を確認することで、腐食
主文(判決文より)
1 被告高島屋商店、被告小西造型、被告伊東石油及び被告保安管理センターは、 原告に対し、連帯して138万8200円及びこれに対する令和2年8月15 日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、原告に生じた費用の6分の1及び被告高島屋商店に生じた費用 を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告小西造型に生じた 費用を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告伊東石油に生 じた費用を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告保安管理 センターに生じた費用を同被告の負担とし、その余の費用を原告の負担とする。 4 この判決の第1項は、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。