事件の基本情報
| 裁判所 | 奈良地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(わ)63 |
| 判決日 | 2018-02-05 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 本件殺人の公訴事実の要旨は,被告人が,Aと共謀の上,平成28年9月23 日頃(以下,特に断らない限り月日の記載は平成28年を指す。),被告人の肩書 住居において,当時74歳の被害者に対し,殺意をもって,その頸部をひもよう のもので絞め,よって,その頃,同所において,同人を頸部圧迫による窒息によ り死亡させたというものである。 弁護人は,被告人はAとの間で被害者を殺害する意思を通じ合っておらず,被 害者の殺害には一切関与していなかったから無罪であると主張しており,被告人 も公判において,これに沿う供述をしている。当裁判所も,被告人が被害者の殺 害について,Aとの間で共謀したり,これに関与したとの証明はなされていない と判断したため,以下にその理由を示す。 2 被告人は,公判において,そもそも被害者が殺害されたかどうかについて曖昧 な供述をしていることから,まず,この点について検討する。 ⑴ 関係証拠によって認められる半袖Tシャツ,ハーフパンツを着用し,靴も靴 下も履いていない状態で発見された死体の状況や,9月23日当日,死体を運 搬した自動車が被告人,A及び被害者が居住する被害者方を出発して死体投棄 現場付近に向かうまで運転に供された形跡がないカーナビゲーションの記録 (甲78)によれば,被害者は同人方で死亡したと認められる。 また,関係証拠によれば,被告人は,捜査公判を通じ,被害者が自殺や病気, 事故で死亡したとは一切申し立てておらず,E警察官の証言によると,Aも任 意同行直後の取調べの際,そのような申立てをしていなかったものと認められ る。自然死や自殺,事故死で亡くなった家族の死体を自宅で発見した場合,通 常,警察や救急に連絡したり,親族に相談したりするはずであるし,警察で事 情聴取されればその旨申し立てるはずである。ところが,被告人及びAは,そ のような行動をとらなかったばかりか,死体を遺棄し,死亡した事実を隠蔽し ている。そして,関係証拠によっても,被害者は,パーキンソン病を患ってい たが,その症状は重篤でなく,直ちに死に至る持病はなく,自殺を考えていた ことをうかがわせる兆候もなかったものと認められることも併せて考慮すると, 被害者は自然死や自殺,事故死以外の原因,すなわち,何者かに殺害されたと 認められ,これは,司法解剖の結果,被害者の死体の舌骨が骨折しており,他 殺であれば絞頸,扼頸の可能性が高いといえる所見であったというF医師の証 言とも整合する。 ⑶ よって,被害者は何者かに殺害されたことは明らかである。 3 さらに,三人暮らしの居宅内で,全く無関係の第三者に夫や父親を殺害された にもかかわらず,死体を遺棄するとは考えにくいし,被告人及びAは,少なくと も死体遺棄の容疑により任意同行を受けた直後には,いずれも自身が単独で被害 者を殺害し
主文(判決文より)
被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 本件公訴事実中,殺人の点(平成29年3月3日付け起訴状)につい ては,被告人は無罪。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。