名誉棄損慰謝料等請求事件

事件の基本情報

裁判所奈良地方裁判所
事件番号令和5(ワ)356
判決日2025-01-16
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、民法723条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件公表1及び本件公表2(以下「本件各公表」という。)の違法性(争点
1)
(2) 本件各公表によって生じた損害額(争点2)
(3) 名誉回復処分の必要性及びその方法(争点3)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 本件各公表の違法性(争点1)
(原告の主張)
ア 被告市長自らが、単独で市民と同様の調査権を行使するような方法で政
治倫理審査会に諮問を行うことは違法である。被告市長は、原告のB部長
に対する質問行為が「恫喝・尋問・強要・軟禁」にあたらないことを容易
に判断できたはずであり、そのような行為に対する諮問は違法である。
また、政治倫理審査会の委員は、被告市長から諮問がされた後に選任さ
れており、選任手続において中立性、公平性を担保できない重大な手続的
瑕疵があるため、被告市長の諮問はこの点においても違法である。
よって、これらの違法な諮問を公表する行為及び諮問の答申を公表する
本件各公表は、当然に違法となる。
イ 諮問行為が違法とはいえない場合であっても、行政機関の公表行為は、
公表目的の正当性、公表内容の性質、その真実性、公表方法・態様、公表
の必要性と緊急性等を踏まえて、公表することによる利益と公表すること
による不利益とを比較衡量し、その公表が正当な目的のための相当な手段
といえるかどうかを検討すべきであり、公表によってもたらされる利益が
あったとしても、生じる不利益を犠牲にすることについて正当化できる相
当な理由がなければ違法となる。
(ア) 本件各公表の目的は、原告への口封じのためなされたものであると
推認できるものであり、これは正当な目的とはいえない。公表内容は、
原告が刑法犯罪に該当する行為をしたというもの(本件公表1)や、議
員としての品位に欠けるというもの(本件公表2)であり、その真偽の
如何を問わず原告の名誉権に打撃を与える性質の内容であった。それに
もかかわらず、被告市長は公表内容の真実性について慎重な検討をしな
いまま、影響力が甚大な記者会見を実施しており、本件各公表はその存
否が定かでない段階でこれを公表する必要性や緊急性があるものとは
いえなかった。
(イ) 原告は、B部長に対し、「恫喝・尋問・強要・軟禁」にあたる行為を
しておらず、本件行為1は、無施錠の市議会図書室において、他議員の
同席のもと、本件議案が撤回に至るまでの事情を調査するために同部長
と短時間に平穏な態様でなされていたものにすぎない。
令和4年9月20日、原告は、宇陀市議会において、被告市長に対し
「喧嘩をうっているんですか。」と言ったものの、これは被告市長が、公
の場において、あたかも原告が被告市職員に対して違法行為を働いたか
のような発言をしたことに驚き、本会議終了後、被告市長へ真意を聞こ
うと問いかけたところ、「話をすることがない。」と

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、33万円及びこれに対する令和5年9月28日から支
払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その9を原告の負担とし、その余は被告の負
担とする。
4 この判決は、第1項に限り仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。