事件の基本情報
| 裁判所 | 松山地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(わ)408 |
| 判決日 | 2010-03-08 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法181条1項、刑法14条2項、刑法19条1項2号、刑法21条、刑法45条、刑法47条、刑法59条、刑法203条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,殺意の有無である。 第2 判断 1 傷害の部位や程度 被害者は,犯行により,左側胸部に2か所の刺し傷(深さ約6センチメート ルのもの(傷ア)及び深さ約5センチメートルのもの(傷ウ)),右前腕部に - 1 - 1か所の切り傷(長さ約10センチメートルのもの(傷イ))等の傷害を負っ た。 B医師の証言によると,傷ア,ウについては,この深さでも刺さった場所や 方向次第で心臓や肺などの臓器,重要な血管を損傷し,死に至る危険があると 認められる。 2 凶器の形状と用法 被告人が犯行に使用した凶器は,柳刃包丁(刃体の長さ約21.2センチメ ートル)で,被告人は,その包丁を自宅から持ち出していて,その危険性をよ く分かっていた。 被害者は,犯行時の状況を①被告人とは向かい合って立っていたが,自分が 上半身をひねって右後方を指示したところ,突然,被告人に左脇の下のほうを 包丁で刺され(傷ア),②被告人を突き飛ばし,包丁を取り上げようとつかみ 合いになったが,被告人から「おどら(お前),殺してやる。」などと言われ, ③車に乗って逃げようと後ずさりしたところに,被告人が両手で包丁を胸と腹 の間辺りに構えて向かってきたので,右手で包丁を払ったところ,右前腕に包 丁が刺さり(傷イ),④被告人を突き返したところ,被告人は更に右手に包丁 を持って向かってきたため,左手で被告人の右腕をつかもうとしたが,左脇の すぐ下に包丁が突き刺さった(傷ウ)などと説明する。その内容は,傷の位置 や状態に合っており,疑問点はなく,被害者の被告人に対する気持ちを考えて も,あえて被告人に不利な供述をするとは考えられない。他方,被告人の供述 は,肝心の部分で記憶がないと述べるなど,そのまま信用できない。そうする と,犯行状況は被害者が述べるとおりであった,すなわち,被害者と向かい合 った状態から左側胸部下を刺し(1撃),被害者に向かって行き,その防御す る右前腕を刺し(2撃),被害者に腕をつかまれそうになった際に左側胸部上 を刺した(3撃)と認められる。 3 被告人の言動 - 2 - 上記のとおり,被害者の供述は信用でき,これによると,被告人は,上記② のとおり,つかみあっている際などに,被害者に対し,「殺してやる。」など と述べたことが認められる。 4 動機 被害者と被告人との間には30年来の交遊があったが,被告人は,被害者と 一緒に起こした恐喝事件では100万円を脅し取ったことを被害者から聞いて いなかったこと,被害者が被告人から借りた携帯電話の料金を支払っていない こと,被告人が知人に貸した20万円を被害者が無断で回収し,使い込んでな かなか返そうとしなかったことなどの被害者の一連の対応に対し,不信や怒り を募らせていた。そして,犯行当日,被告人は,柳刃包丁を抜き身でズボンの ポケットに
主文(判決文より)
被告人を懲役5年6月に処する。 未決勾留日数中120日をその刑に算入する。 押収してある柳刃包丁1本を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。