重過失傷害

事件の基本情報

裁判所松山地方裁判所
事件番号平成20(わ)70
判決日2010-05-12
分類民事
判決文が挙げた条文刑法209条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,検察官が主張する主位的訴因である滑走開始前
の注意義務違反,すなわち,被告人が,本件ジャンプ台上方から滑走を開始す
る前に,着地点付近に人がいないのを他の者に確認してから滑走を開始すべき
であったのにこれを怠って滑走を開始した重過失(争点①),あるいは予備的
訴因である滑走中の注意義務違反,すなわち,滑走開始後,遅くともリップの
手前約6メートル付近では着地点付近の視認が容易であり,安全確認等をすべ
きであったのにこれを怠って滑走を続けた重過失(争点②)が認められるかに
ある。
5 「重過失」と「軽過失」との関係
検察官は,「重過失」の意義について,高裁判例を引用して,「注意義務に
違反する程度が著しい場合,すなわち,わずかな注意を払うことにより,結果
の発生を容易に回避し得たのに,これを怠って結果を発生させた場合」をいう
とし,弁護人も同様に解している。「重過失」の意義をいかに解するかについ
ては諸説あるところであるが,当裁判所も,上記意義に従うことが相当である
と思料する。
ところで,重過失と軽過失の関係をめぐっては次のような困難な問題がある。
過失傷害についての法定刑は30万円以下の罰金又は科料であり(刑法20
9条1項),簡易裁判所に専属管轄がある。そこで,重過失傷害として地方裁
判所に起訴された事案について,重過失までは認められないが,軽過失は認め
られると判断した場合にどのように対応すべきかについては,種々の見解が述
べられているところ,管轄違いの裁判をすべきであるとの見解が有力であり,
同旨の裁判例も見られる(なお,地裁において管轄外の過失傷害罪で有罪判決
を下すことは許されないと解する。東高判昭和54年2月27日判時955号
131頁同旨。)。このような処理を行う理由は,検察官の当初の訴因に,縮小
認定に係る訴因も含まれていると解され,検察官がなお処罰意思を有している
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のが通常であるから,被告人に対する適正な処罰を行うには,一事不再理効が
生じるのを防ぎ,刑罰権発動の余地をなお確保することが相当であると考える
からである。しかしながら,本件の訴訟経過を踏まえると,このような処理を
行うことは相当ではない。まず,本件では,検察官は,公訴提起から一貫して
被告人の行為が重過失に当たると主張し,論告においても,重過失傷害罪が成
立し,禁錮10月に処すべきである旨述べている。そして,既に現時点におい
て,公訴提起後2年余りを経過しているところ,審理が長期化した最大の原因
は,当初の訴因から2回にわたり訴因の変更,追加が行われたことに帰する。
当初の訴因については,事故発生から公訴提起までに2年余り経過した後にな
されたものであるにもかかわらず,前記のとおり曖昧なものであり,手続が紛
糾し,訴因変更の上,実質審理に入るまでに数

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。