事件の基本情報
| 裁判所 | 松山地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(ワ)1337 |
| 判決日 | 2016-01-20 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 医療法人D |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 ⑴ 原告Aの脳性麻痺の機序 (原告らの主張) 原告Aは,カンガルーケア中の心肺停止のために低酸素性虚血性脳症を発 症し,重篤な脳性麻痺による後遺症が残存することとなったものであり,上 記心肺停止は,新生児低血糖症を原因とするものである。 すなわち,新生児の血糖値については,正常値は70mg/dl以上とさ れており,他方,30mg/dl以下になると意識レベルが著しく低下して 死に至ることもあるとされ,25ないし35mg/dlである場合には早急 な治療が必要であるとされている。原告Aは,出生直後の血糖値が28mg /dlと著しく低く,かつ,低血糖症の典型的な症状であるチアノーゼが四 肢に見られたのであるから,低血糖症に陥っていたことは明らかである。そ して,原告Aは,低血糖症によってその脳に十分な栄養が供給されなくなり, 自律神経が機能不全に陥って筋弛緩が生じ,呼吸が抑制されたものであり, うつぶせの体勢で抱かれていたこともあって,気道や鼻腔の閉鎖が生じて心 肺停止に至ったものである。 (被告の主張) 原告Aの急変は,原因不明の突発的な心肺停止による低酸素性虚血性脳症, 又は特発性ALTEに当たる。産科医療補償制度の運営機関である公益財団 法人日本医療機能評価機構が作成した「原因分析報告書」も,可能性がある と考えられる複数の原因を全て検討した上で,原告Aの急変の原因は特定で きず,予測不能であったとしている。 原告らは,原告Aの出生直後の28mg/dlという血糖値及び四肢末端 のチアノーゼをもって低血糖症であったと主張するが,新生児の出生直後の 低血糖はよく見られることであり,健康な正期産児では2ないし3時間のう ちに血糖値は自然に上昇するし,四肢末端のチアノーゼも出生直後の新生児 にはよく見られることである。加えて,原告Aの血糖値は後医において高値 を記録していたことも踏まえると,原告Aが低血糖症に罹患していたとは考 えられず,その急変は低血糖によるものではない。 ⑵ 説明義務違反 (原告らの主張) ア 義務違反 原告Aが出生した平成23年1月頃までには,カンガルーケア中に児が 死亡したり重篤な後遺症を負ったりする事故が全国的に発生しており, 大々的に報道もされていた。こうしたことを踏まえると,被告ないしその 職員は,原告B及び原告Cに対し,カンガルーケアの開始までの間に,カ ンガルーケアの目的や効果はもちろん,カンガルーケアのリスクや,児の
主文(判決文より)
1 原告らの各請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。