損害賠償請求事件(通称 メディスコーポレーション損害賠償)

事件の基本情報

裁判所前橋地方裁判所
事件番号平成20(ワ)376
判決日2010-10-29
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) Eが本件自殺当時うつ病に罹患していたと認められるか。
(2) 業務と本件自殺との間に相当因果関係が認められるか。
(3) 被告らの安全配慮義務違反(注意義務違反)の有無
(4) 過失相殺
(5) 損害額
5 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)(Eが本件自殺当時うつ病に罹患していたと認められるか。)
について
(原告らの主張)
ア 本件自殺に至るまでのEの症状等について
Eは,平成15年12月ころから,疲れているのに就寝時に中途覚醒
してそのまま眠れないことがあった。Eは,原告Aに対し,不眠を訴え,
睡眠薬を飲むかどうかの相談をしてきたことがあり,そのころから不眠
が生じていた。Eは,以前は,原告ら妻子に対して理不尽な怒り方をす
ることはなかったが,何かに焦っていて非常に怒りやすくなっていた。
また,Eは,従前は社交的で他人との接触も多かったが,人との接触を
避けるようになった。
Eは,平成16年7月から8月にかけて,端から見ていて容易に分か
るまで表情が乏しくなった。また,Eは,同年7月,被告会社の東京支
店に赴いた際,東京支店に着いたとたん疲労の表情をみせ,へたり込む
ようにして動けなくなったこともあった。
Eは,平成16年8月13日,盆迎えのため,被告会社を午後から休
んだが,その際も,以前と異なり,親類とも話をほとんどせず,仕事の
ため途中で抜けた。Eは,同月16日朝,自宅を出る前,原告Aの方を
何か言いたそうにずっと見ており,原告Aは,ふだんと違う様子のEで
あったことから,気になっていた。Eは,同日深夜に自宅に帰宅したが,
疲弊した様子で全く口を開かなかった。
イ 桐生労働基準監督署の判断について
本件署長は,3名の精神科医の合議に基づく医学的知見によれば,E
は,平成16年6月ころから,心身の疲労,不安,不眠の症状が出現し,
同年7月中旬ころからは,食欲減退,仕事の能率低下,緘黙などの精神
運動抑制や,落ち着かず,無目的の歩行を繰り返す焦燥の強いうつ症状
が認められるとし,これらの症状と経過を国際疾病分類(ICD-1
0)にあてはめると,Eは,平成16年7月ころには,F32.2「精
神病症状を伴わない重症うつ病エピソード」を発症したと認定した。
ウ 以上によれば,Eには,不眠の症状が出ていた上,感情の喪失,焦燥
感等のうつ症状が出現していたのであり,Eが本件自殺までにうつ病等
の精神疾患に罹患していたことは明らかである。
被告らは,Eと一緒に仕事をしていた者は,Eの異常を感じなかった
と主張して,上記精神疾患の発症を否定するが,Eは,自己開示をする
ことが少ない性格であったのであるから,社内で,Eの症状が気付かれ
なかったとしても,Eの精神疾患の発症を否定する理由にはならない。
(被告らの主張)
ア 本件自殺に至るまでのE

主文(判決文より)

1 被告会社は,原告Aに対し,1904万5488円及びこれに対する
平成▲年▲月▲日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告会社は,原告B,同C及び同Dに対し,それぞれ1561万65
15円及びこれに対する平成▲年▲月▲日から支払済みまで年5分の割
合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,これを10分し,その4を原告らの負担とし,その余は
被告会社の負担とする。
5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。