過失運転致死傷被告事件

事件の基本情報

裁判所前橋地方裁判所
事件番号平成30(わ)183
判決日2020-03-05
分類民事
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点及び当裁判所の判断の要旨
当裁判所は,本件の事実関係の下においては,被告人には,主位的訴因及び
予備的訴因のいずれについても,両訴因に共通して記載されている交通事故
(以下「本件事故」という。)に対する予見可能性があったとはいえず,自動
車の運転を厳に差し控えるべき自動車運転上の注意義務を負う前提を欠くこ
とになるので,被告人は無罪であると判断した。その理由は以下のとおりであ
る。
1 主位的訴因における争点及び当裁判所の判断
検察官は,主位的訴因において,被告人が,⑴「かねてから低血圧の症状が
あり,低血圧により,めまいや意識障害を生じたことがあった」こと及び⑵「医
師から,同症状によりめまいや意識障害を生じるおそれがあることから,自動
車の運転をしないように注意されていた」ことの2つの事実を,被告人が「自
動車の運転は厳に差し控えるべき自動車運転上の注意義務」(以下,主位的訴
因におけるこの注意義務を「主位的運転避止義務」という。)を負う根拠とし
て挙げ,被告人が上記⑴及び⑵の各事実により主位的運転避止義務を負ってい
たにもかかわらず両訴因に共通して記載されている自動車の運転開始行為(以
下「本件運転開始行為」という。)に及んだことが被告人の過失である旨主張
する。
これに対し,弁護人は,被告人には,本件事故に対する予見可能性がないか
ら,主位的運転避止義務が発生しておらず,仮に主位的運転避止義務が発生し
ていたとしても,被告人は,本件運転開始行為時,事理弁識能力及び行動制御
能力を欠いており心神喪失状態にあったから,無罪である旨主張する。
当裁判所は,検察官が主位的運転避止義務の根拠として主張する上記⑴及び
⑵の各事実はいずれも認定することができず,被告人には主位的運転避止義務
の前提となる本件事故に対する予見可能性が認められないため,主位的運転避
止義務を負わせることはできないと判断した。
2 予備的訴因における争点及び当裁判所の判断
検察官は,予備的訴因において,被告人が,⑴「かねてから低血圧の症状が
あり,血圧変動等により,めまいや意識障害を生じたことなどがあった」こと
及び⑵「医師や家族から,めまいを生じるおそれがあることなどから,自動車
の運転をしないように注意されていた」ことの2つの事実を,被告人が自動車
の運転は厳に差し控えるべき自動車運転上の注意義務(以下,予備的訴因にお
けるこの注意義務を「予備的運転避止義務」といい,主位的運転避止義務と併
せて「本件運転避止義務」という。)を負う根拠として挙げ,被告人が上記⑴
及び⑵の各事実により予備的運転避止義務を負っていたにもかかわらず本件
運転開始行為に及んだことが被告人の過失である旨主張する。
これに対し,弁護人は,主位的訴因と同様に,被告人には,本件事故に対す
る予見可能性がない

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。