放送受信契約締結義務不存在確認請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和2(ネ)2643
判決日2021-02-24
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

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争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
⑴ 争点及び当事者の主張は,後記⑵に当審における当事者の補充主張を摘示
するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の2(原判決3頁10行目か
ら6頁16行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。
⑵ 当審における当事者の補充主張
(控訴人の補充主張)
ア 放送法は,我が国において控訴人の提供する放送と民間放送事業者によ
る放送の二系列の事業システム(放送二元体制)を構築し,これを並立さ
せることにより,放送事業が全体として公共の福祉に適合する健全な発達
を促す総合的な体制を確保しようとしている。この放送二元体制が採られ
た趣旨は,民間放送事業者が利潤の最大化という市場経済原則という観点
に立ち,控訴人が市場経済原則とは異なる観点に立って,二つの異なる視
点からそれぞれに特色のある番組が供給されることで,控訴人と民間放送
事業者によって担われる放送が全体としてバランスのとれた編成となるこ
とを企図したものである。
放送法64条1項は,控訴人の財政的基盤となる放送受信料を請求する
根拠となる放送受信契約の締結義務を定めた規定であるところ,同項の意
義は,放送二元体制における控訴人の役割に鑑み,租税等に頼ることを避
けて国家権力からの独立性を確保するとともに,あまねく日本全国におい
て放送を可能とするためにおよそ放送の便益を享受する国民一般に広く公
平に負担を求めて,控訴人の財政的基盤を可能な限り確かなものとすると
いう点にある。このような仕組みは,放送二元体制において,控訴人が公
共的性格を有することをその財源の面から特徴付けるものである。そのた
め,放送法64条1項も放送二元体制の趣旨に即して解釈されるべきであ
る。
以上の趣旨に照らせば,放送法64条1項の「協会の放送を受信するこ
とのできる受信設備」とは,その基本構造として,控訴人のテレビジョン
放送を受信することのできるテレビジョン受信機としての機能を維持して
いるものと解すべきであり,仮にテレビジョン受信機に控訴人の放送を受
信することを不可能にする付加機器が設置されているとしても,そのよう
な事情や控訴人の放送を受信することのできる状態への復元可能性及びそ
の難易は考慮すべきではなく,また,上記受信設備に当たるか否かはテレ
ビジョン受信機の客観的・外形的状態に照らして判断すべきであり,これ
を離れ,テレビジョン受信機の設置者がテレビジョン受信機に加えられた
加工の内容を知っていたかどうかや,テレビジョン受信機に関する専門的
な知識を有しているかどうかといった個人的な事情は考慮すべきではない。
また,放送法64条1項の趣旨に照らすと,民間放送事業者の放送は受
信できるが控訴人の放送は受信できない状態を意図的に作出することで放
送受信契約の締結義務を免れ,受信料を負担しないこ

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審を通じて,被控訴人の負担とする。

出典

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