事件の基本情報
| 裁判所 | 津地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)306 |
| 判決日 | 2025-10-01 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 被告人は、本件起訴状記載の公訴事実について、Aに関する振込入金の事実 は認めるが、同会の役員の交代に関する権限を行使するようC側から依頼を受 けたとの認識はなく、その権限を行使する対価として金銭の支払を受けたとい う認識もなかったと供述し、弁護人は、①上記のような権限行使に関する不正 の請託はなく、②理事長の職務行為の対価としての金銭の授受もなく、③被告 人には不正の請託を受けた認識や対価性(賄賂性)の認識はなかったとして、 犯罪の客観面及びこれに対応する主観面(故意)がなかったから無罪であると 主張するので、以下、検討する。 第2 検討 1 争点①(権限行使に関する不正の請託の有無)について 本件起訴状記載の公訴事実にいう「不正の請託」の内容のうち争点①に関わ るのは、Aの理事、監事及び評議員(以下、これらを「役員」という。)をいず れもC側の指定した人物に変更できるよう権限を行使してもらいたいというも のである。 この点、本件各証拠によると、令和4年2月10日頃、被告人とC側(J名 義)との間で、「役員の交代に関する契約書」に基づく合意がなされたが(以 下「本件契約」という。)、これは、被告人がAの役員全員を辞任させる義務 を負い、C側が新たな役員を選任する義務を負うことなどを内容とするもので あったと認められる。 そうすると、被告人が役員全員を辞任させることにより、役員が存在しなく なったところで、C側が役員を選任できることが合意内容となっているといえ、 これは、不正の請託の内容である被告人が役員をC側の指定した人物に変更で きるよう権限を行使することを意味する。したがって、客観的には、C側から 被告人に対し、Aの役員の交代に関する権限を行使するよう不正の請託があっ - 2 - たと認められる。 この点、弁護人は、新たな役員の選任はC側の義務とされていることなどを 指摘して、不正の請託がないと主張する。しかし、C側が指定する人物に新た な役員を変更できるようになるのは、被告人の権限行使による役員全員の辞任 があるためであり、不正の請託の内容としてはそれで十分といえる。弁護人の 主張は採用できない。 2 争点②(職務行為の対価としての金銭授受の有無)について 本件契約は、被告人がAの役員全員を辞任させる義務を負い、C側が新たな 役員を選任する義務を負うとともに被告人側の会社に金銭を支払う義務を負う ことなどを内容とするものであるところ、その金額は3500万円であったと 認められる。 そうすると、C側が3500万円を支払うことの対価として、被告人が理事 長の職務行為としてAの役員全員を辞任させることを意味するのであるから、 客観的には対価性、賄賂性が認められる。 3 争点③(故意)について (1) 不正の請託及び対価性に関して 被告人は、前記のとおり
主文(判決文より)
被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 訴訟費用は被告人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。