殺人被告事件

事件の基本情報

裁判所岐阜地方裁判所
事件番号平成25(わ)297
判決日2014-12-17
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①被告人が被害者の腹部を刺したか,②被害者が殺さ
れることを承諾していたか,③被告人の責任能力の程度(病気の影響の程度)
の3点である。
第1 争点①(被告人が被害者の腹部を刺したか)について
弁護人は,被告人の供述に依拠して,被告人は被害者の腹部を刺していない
と主張する。しかし,腹部の傷の形状や被害者には自らの腹部を刺す動機がな
いことなどの事情を総合すると,被告人が被害者の腹部を刺したことが優に認
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められ,それを覆す事情は存在しない。また,前胸部についても,ほぼ同様の
理由から被告人が1人で刺したものと認められる。以下,その理由を説明する。
1⑴ 関係証拠によれば,本件当時,現場である被告人方には,被告人と被害者
の2人しかいなかったと認められるから,被害者の左腹部及び前胸部の傷は,
それぞれ被告人か被害者本人のいずれかが1人で刺したか,あるいは,両者
が2人で一緒に刺したことによって生じたものであると考えられる。
⑵ そして,被害者の左腹部及び前胸部の刺創の形状や向き等に照らすと,そ
れらの傷は,いずれも,被害者自らが1人で,あるいは,被告人の手を借り
て刺したものとしては物理的に困難又は著しく不自然である一方,被告人が
1人で刺したものとしては自然なものであると認められる。
ア すなわち,被害者の司法解剖を行った甲医師の証言等の関係証拠によれ
ば,被害者の左腹部及び前胸部の刺創の形状,向き等について以下の事実
が認められる(以下の刺創の方向については,直立した状態の被害者を前
提に,被害者正面に向き合った状態から見た方向を指す。)。
被害者の左腹部と前胸部には,いずれも本件包丁により形成された刺
創があった。
左腹部の刺創は,包丁の峰がやや左上,刃が右下の状態で,傷口から
やや背中方向に向かいながらも地面に対してほぼ垂直方向に延びる直線
状の傷である。同刺創は,左腸骨を貫通し,左臀部の筋肉に達しており,
深さは約14.6センチメートルであった(以下,「腹部刺創」という。)。
前胸部の刺創は,左腹部が刺された後,短時間のうちに,包丁の峰が
やや左上,刃がやや右下を向いた状態で,同一の傷口から包丁が抜けき
らないようにして4回にわたり連続的に刺されて形成されたものであ
る。最初の刺し傷は,上記傷口から左下方に向かい第5肋骨の上部を傷
つけ,第4肋骨と第5肋骨の間を通って心臓を貫通し,右肺の内側にま
で達しており,深さは約16.5センチメートルであった(以下,「胸
部刺創①」という。)。その後の3回の刺し傷は,心臓及び右肺の内側
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にできた刺創であり,胸部刺創①ができた直後に,傷口から包丁が抜け
ない程度に少し引き,第5肋骨をえぐるように包丁を反時計回りに回転
させ,峰を左側,刃を右側にして,3回連続的に刺されてできた

主文(判決文より)

被告人を懲役5年6月に処する。
未決勾留日数中300日をその刑に算入する。
岐阜地方検察庁で保管中の文化包丁1本を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。