殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反

事件の基本情報

裁判所大分地方裁判所
事件番号平成21(わ)263
判決日2010-03-24
分類民事
判決文が挙げた条文刑法45条、刑法203条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①被告人が,持っていた柳刃包丁で意図的にA(以下「被害
者」という。)の脇腹を刺すなどしたのか,それとも被害者とのもみ合いの中
で偶然に刺さるなどしたのか,②被告人が被害者を恨んでいたのかどうか,③
争点①及び②を前提にして,被告人に殺意が認められるかどうかである。
第2 当裁判所の判断
1 被告人の行為の態様(争点①)
検察官は,いきなり左脇腹を刺されたなどとする被害者の証言が信用できる
として,被告人が意図的に被害者の左脇腹を刺したり,左顔面などを切り付け
たりしたと主張する。
これに対し,弁護人は,被害者の証言は不合理であって信用できず,被害者
の負った傷害はもみ合いの中で偶然生じたものであると主張する。
しかし,被害者の証言は,けがの状況や現場の状況と特に矛盾せず,基本的
に信用することができる。
弁護人は,柳刃包丁の刃体の長さに比して,左脇腹の刺創が浅いことから,
体当たりしていきなり刺されたとの被害者の証言は不合理であると主張するが,
B医師及びC教授の証言によれば,左脇腹の刺創は肋軟骨を切断しており,そ
れにはかなりの力がいるので,被害者の述べる被害の態様と傷の状況は矛盾し
ないというのであるから,文字どおりの体当たりであったかどうかはともかく
としても,被告人からいきなり刺されたという限度では被害者の証言に特に疑
いをいれない。
弁護人は,B医師が上から下に45度より立った角度で刺創が生じていると
証言しているところを捉えて,被害者の述べるような態様ではそのような角度
にならないとも主張しているが,階段の上から刺されたものである上,被害者
が瞬間的に動いた可能性もあること,肋軟骨を切断しての刺創であるため,刃
先が流れた可能性もあることなどを考慮すると,特に不合理とは思われない。
顔や頭,首を切られたと述べる部分も,少なくとも被告人が切り付け,ある
いは切り付けようとし,それを被害者が必死で防ごうとするなかで傷が生じた
という限度では十分に信用することができる。
血痕が階段の4段目に比較的多く飛び散っていたことが認められ,弁護人は,
この点を捉えて,被害者が階段の下で刺されるなどしたと述べるところは不合
理だと主張するが,顔の2か所の傷は,動脈を傷つけ,拍動性の出血があった
というのであるから,相当程度飛び散ったものと考えられるし,被害者と被告
人はもみ合っていたというのであるから,その態勢や位置によっては,被告人
の顔などに血が付くことなく血が飛び散るということもあり得ないではない。
そして,そもそも被害者はもみ合うなかで階段を二,三段上がった可能性もあ
ると述べているのであるから,なおのこと不合理とはいえない。
被告人は,包丁をケースから出して立ち上がったところ,被害者が階段を駆
け上がってきて包丁を持った右手を両手でつかん

主文(判決文より)

被告人を懲役8年に処する。
未決勾留日数中80日をその刑に算入する。
押収してある柳刃包丁1丁(平成22年押第2号の1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。