損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大分地方裁判所
事件番号平成21(ワ)610
判決日2011-03-30
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれについての当事者の主張
⑴ 被告の安全配慮義務違反の有無
(原告)
ア 安全配慮義務の根拠について
在学契約という特別の社会的接触関係に入った当事者である被告は,
原告に教育をする義務を負うとともに,その附随的義務として,学校教
育において,他方当事者である原告の生命・身体等に危険が生じないよ
うに配慮すべき義務を負っている。
- 2 -
イ 具体的な安全配慮義務の内容とその違反について
(ア) 危険性周知徹底及び飛び込み禁止指導義務について
学校の水泳授業においては,学校の種別にかかわらず,飛び込み・
スタートによる死亡ないし重篤な障害が残る傷害に至る重大な事故が
発生しているから,水泳の授業の担当教諭は,生徒に対し,事前に,
飛び込みを行った場合,深く水に入ってプール底に頭部を衝突させ,
場合によっては頚椎・頚髄損傷をきたす可能性があることを,危険性
のある動作を具体的に説明するなどしながら周知徹底したうえで,未
経験者や未習熟者に対して,一律に飛び込みを禁止する義務がある。
しかるに,A 教諭は,平成11年当時の各水泳授業の前に,原告を含
む生徒らに対し,安全面に関する注意指導を特段行っておらず,また,
自由練習時間の設定をした時点を含む本件授業のいずれの段階におい
ても,これを行わなかったのであるから,上記注意義務に違反してい
るというべきである。
仮に,A 教諭が,安全に関する注意を行っていたとしても,その指示
は抽象的なものにすぎなかったから,注意義務を怠ったことには変わ
りがない。
(イ) 監視ないし危険行為制止義務について
水泳授業中の自由練習の時間においては,事故発生の危険性が高い
ので,担当教諭は,専任の監視係を置く等して,常時プールを監視す
るとともに,危険な行為を発見した場合にはこれを制止すべき高度の
注意義務を負っている。したがって,監視係が,一時的にその場を離
れなければならない場合には,事前に生徒全員にプールから出るよう
に指示したり,あらためて飛び込み等の危険行為をしないように厳重
注意するなど,事故の発生を防止し,生徒の安全を確保するための具
体的で十分な措置を講じる義務がある。
- 3 -
しかるに,A 教諭は,自ら設定した自由練習時間に,更衣室に設置さ
れたシャワー室でシャワーの点検をするなどし,生徒に対する監視を
解いたうえ,代わりの監視係を置いたり,生徒全員をプールから上が
らせ,又は飛び込み禁止などの注意をあらためて徹底するなどの監視
に代替する容易な手段を講じることもなく,原告の飛び込みを見逃し,
これを制止することができなかったのであるから,同教諭には上記注
意義務に違反した過失があるというべきである。
仮に,被告が主張するように,プールサイドを離れた時間が約1分
程度であったとしても,自由練習とい

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,335万9710円及びこれに対する平成21年7月
24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,原告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。