事件の基本情報
| 裁判所 | 大分地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)220 |
| 判決日 | 2016-04-28 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 本中間判決の対象となる争点は,本件訴えの適法性であるが,具体的には, 原告及び被告間において,専属的な国際裁判管轄をシンガポール共和国(以下 「シンガポール」という。)とする合意の成否及び有効性,並びに民訴法3条 の9による訴え却下の可否である。 (被告の主張) 本件英語条項の後段を抄訳すると,紛争解決のための専属地はシンガポー ルとするとなり,これは,本件契約から生じる紛争に関する紛争解決機関, すなわち,本件訴えに関する第一審の専属的合意管轄は,シンガポールの裁 判所とすることを定めたものである。 また,本件日本語条項も,シンガポールを排他的に紛争解決を担う地域と する趣旨と解される。すなわち,本件条項は,前段で,国連売買条約の適用 を排除するために「除外」という文言を使用していることに照らせば,本件 条項において,除外とは他を排斥する趣旨で用いられていると理解でき,本 件日本語条項は,シンガポールの裁判所を専属的な(他の国を排斥する)国 際裁判管轄を定めたものというべきである。このように解することは,本件 条項前段でシンガポール法を準拠法としていることからすれば,シンガポー ル法に則って,シンガポールの裁判所以外の裁判所で裁判を遂行するなどと いうのはおよそ不合理であることとも整合する。また,本件契約書では, 「国立公園」とすべきところ(具体的には阿蘇くじゅう国立公園のことを指 す。)を,「国定公園」と誤訳していることに照らすと,まず英語の条項が 設けられ,これを日本語に翻訳して作成されたことは明らかであって,本件 日本語条項も,本件英語条項と合理的に整合するよう解釈されるべきである。 なお,原告の請求は,測量等の役務提供に基づく報酬を請求する部分と, 環境アセスメントにおける役務提供に基づく報酬を請求する部分とで,訴訟 物を異にするかも明らかでないが,いずれにせよ,本件契約書で定められた 許認可の取得に必要とされる役務提供に含まれるものとして,本件契約が適 用され,本件条項により,その専属的国際裁判管轄はシンガポールの裁判所 となるものというべきである。 そうでないとしても,本件訴えについては,これを却下すべき特別の事情 (民訴法3条の9)が認められる。 すなわち,本件条項は,準拠法をシンガポール法と定めているのであるか ら,シンガポールの裁判所で審理することが,その適正迅速な解釈運用に適 う。また,被告はドイツ連邦共和国を本拠地とするBのアジア事業管理拠点 であるシンガポールのCのグループ企業であるため,同社の危機管理方針と して,アジア地域における紛争の解決はシンガポールで行うこととしており, 本件条項を設けたものであるから,被告は,シンガポールで紛争が解決され ることに合理的な期待を有しているし,原告と被告との
主文(判決文より)
本件訴えを却下すべきであるとする被告の本案前の抗弁には,いずれ も理由がない。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。