殺人 銃砲刀剣類所持等取締法違反

事件の基本情報

裁判所大分地方裁判所
事件番号平成27(わ)270
判決日2016-08-01
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
本件の主たる争点は,①被害者が被害者の居室において先制攻撃をしたか,②殺
意の有無(被害者が死ぬ危険性の高い行為をそのような行為であるとわかって実行
したか),③被害者の先制攻撃に対し,被告人の反撃が許されるような緊急状況で
あったのかの3点である。
1 被害者が被害者の居室において先制攻撃をしたか
被告人は,公判廷において,被害者の居室において,被害者から先に両手で殴ら
れ,両手で首を絞められる暴行を受けたと供述する。
しかし,G医師の証言によれば,被害者の右上肢・右手指には重度の脳梗塞を原
因とする麻痺があり,本件当時,被害者が右手で被告人を殴打したり,首を絞めた
りすることはできなかったというのである。同医師は,直接被害者を診察していな
いが,脳神経外科の専門医として,カルテや検査結果に加え,本件当日の被害者の
様子を記録した防犯カメラ映像を確認した上で上記の判断をしており,その内容も,
施設職員が述べる被害者の右手の使用状況と整合している。同医師の供述は十分に
信用できる。また,被告人は,捜査段階において,被害者の居室で被害者から殴打
されたなどの重要な事実について,警察官や検察官に述べていない。なお,本件後
に認められた被告人の鼻の左側の傷は,被害者と正対した状態から左手で殴られた
際に付いたものとは考えにくく,被告人が自室のベッドで被害者から殴られた際の
傷と考えるのが相当であって,被害者が被害者の居室で被告人を殴ったことの裏付
けにはならない。これらに照らせば,公判廷における被告人の供述をそのまま信用
することはできない。
もっとも,そうであるからといって,被害者の居室で被害者から先制攻撃を受け
たという被告人の公判供述がすべて否定されることにはならない。すなわち,被害
者が,被告人の居室において被告人を殴った後,「来い。」と言って自室に戻った
ことからすると,更に自室で被告人に暴行を加えるつもりであったと考えるのが自
然である。また,被害者は,本件後,居室の入口付近で仰向けに倒れていたと認め
られ,被害者から居室に入った被告人の方に向かって行ったと考えるのが自然であ
る。さらに,被害者の頭部等に生じた傷は最長で約2.5cm程度のもので,いず
れも深いものではなく,数も少ない上,被害者には左手背部の小さな切創を除き防
御創が全く認められないが,これらは,被告人が先制攻撃を受けないで一方的に被
害者に包丁で攻撃したとすれば不自然である。これらに加え,被告人が,捜査段階
においても,被害者が飛び掛かってきて首の下付近を押すようにしてきた旨述べて
いることなどに照らせば,少なくとも,被害者が,被告人に対し,左手で首の下付
近を押さえ,扉に押し付けるような暴行を加えたという限度では,被告人の公判供
述を否定することができず,被害者が

主文(判決文より)

被告人を懲役9年に処する。
未決勾留日数中250日をその刑に算入する。
押収してある包丁(鞘付き)1本(平成28年押第1号符号1)を没収
する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。