事件の基本情報
| 裁判所 | 大分地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)355 |
| 判決日 | 2017-09-29 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法27条1項 |
この事件の代理人
- 依頼権(検察官)
争点(判決文より)
争点 (1) 平成16年改正前の裁判所法67条2項に基づく請求 ア 平成16年改正法は,憲法上の要請である給費制を廃止する点で,違憲 であり,無効であるか。 イ 平成16年改正法は,憲法27条1項及び2項に違反し,違憲無効であ るか。 (2) 国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求 ア 平成16年改正に関する被告の国家賠償法上の責任の存否 イ 原告らの損害 3 争点に対する当事者の主張 (1) 争点(1)ア(平成16年改正法は,憲法上の要請である給費制を廃止する 点で,違憲であり,無効であるか)について (原告らの主張) ア 憲法は,次のとおり,戦前の司法制度の問題点を踏まえて,その基本理 念である司法の権威の確立と国民の基本的人権の擁護を実現するために, その担い手としての裁判官,検察官,弁護士の憲法上の職責を規定し,国 がこれらの法曹三者を統一修習により養成する責務を負うことを当然の前 提として,憲法附属法典としての裁判所法に制度設計を委ねていたところ, その趣旨は,統一修習制度と給費制を不可欠の要素とするものであるから, 立法府が給費制を廃止することは,憲法の委託の趣旨を超えるものであり, 憲法に違反する。 (ア) 戦前は,①裁判所が法律に関する憲法解釈権限,法令審査権を有して いないために,立法府が司法府に対して優位に立ち,②行政府が,裁判 官の任命,監督を行う点で,司法府より上位に立ち,③弁護士は憲法上 の位置付けを与えられていない上に,検事正又は検事長の監督に服して おり,行政府である検察が弁護士より上位に立っていた等の問題点があ り,裁判所は,立法府,行政府に追従することを余儀なくされ,国民の 権利擁護という役割を十分に果たすことができなかった。 戦後は,戦前の前記の問題点を踏まえ,国民の基本的人権の保障を実 現するために,①憲法においては,基本的人権の保障が規定される(1 1条以下,97条)とともに,これを実現すべく,特別裁判所の禁止 (76条2項),裁判官の独立及び身分保障(76条3項,78条,7 9条6項,80条2項),弁護人依頼権及び国選弁護人の付与義務(3 4条,37条3項)等が規定され,法曹三者の存在とそれぞれの職責が 明文化され(以上に加えて,77条2項),②司法制度改正審議会にお いては,国民の権利保障のためには弁護士の役割が重要であることか ら,法曹一元化を目指すこととされた。 (イ) 前記(ア)の経緯を踏まえて,戦後,新たな憲法の下で,新たな法曹養成 制度が設けられた。すなわち,戦前の法曹養成制度では,裁判官及び検 察官の養成課程において,司法官試補は,司法の一翼を担うものとして 身分保障を受け,国家がその養成に責任を負い,給与の支払を受けてい たのに対し,弁護士の養成課程においては,国家は弁護士試補の養成責 任を全く負わず
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,全事件を通じ,原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。