事件の基本情報
| 裁判所 | 大分地方裁判所 中津支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)91 |
| 判決日 | 2021-05-25 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、民法709条、民法715条1項、民法719条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,⑴本訴請求については,①被告Aらにおける共同不法行為責 任の有無,②権利濫用の成否,③被告市における国家賠償責任又は使用者責任 の有無,④原告における損害の有無及び額,⑵反訴請求については,⑤原告にお ける不法行為責任の有無,⑥被告Aにおける損害の有無及び額である。 ⑴ 争点①(被告Aらにおける共同不法行為責任の有無)について (原告の主張) ア 原告は,平成21年5月頃にa区へ移住して以来,a自治区から市報の 配布や回覧物の回覧,各種行事・諸役の案内等を受け,当該各種行事・諸 - 3 - 役へ積極的に参加していた。 ところが,a自治区は,平成25年4月7日に開催された初寄りにおい て,被告Aによる主導の下,原告がa区に住民票を移していないことを理 由に,原告を構成員と認めず,共同して断交することを決議した。これを 受け,前自治委員であった被告Aは翌8日に被告市に対してa自治区の戸 数が14戸から13戸に減少した旨届け出たり,自治委員や区長であった 被告Bと同Cはその届出を維持するとともに原告に対して市報の配布な ど被告市やa自治区からの連絡事項を伝えなかったり,a自治区の構成員 である被告Aらは他の構成員らと共に原告との交際を断ったりした。この 被告Aらによる対応は,原告が平成26年12月にa区へ住民票を移して 平成28年5月にa自治区への加入を申し出たり,大分県弁護士会が平成 29年11月にa自治区に対し原告をa自治区の構成員と認めて他の構 成員と平等に取り扱うよう勧告したりしても,変わらなかった。 また,被告Aは,①平成28年秋には原告の畑に通じる道の通行を妨害 したり,②平成29年3月には原告の帽子を切り刻んで捨てたり,③同年 4月には原告の畑にある柿の木を刃物で傷付けるとともに傷口に薬を塗 り込んで枯れさせたり,④平成30年10月には瓦れきを原告の畑へ投棄 したりするなど,原告への各種嫌がらせに及んだ。 この被告Aらによる対応は,正当な理由のない差別的な取扱いであり, 共同して原告の名誉権や平穏に生活する権利といった人格権を侵害する ものであるから,共同不法行為が成立する。 イ なお,原告は,平成25年3月頃,被告A等に対し,中山間地域等直接 支払制度に関する問合せをしたが,脅迫や暴行には及んでいない。いずれ にしても,a自治区の全構成員が上記制度に基づく集落協定に参加してい るわけではないから,原告の上記制度に関する言動は,a自治区の運営と 無関係である。このため,被告Aらによる前記対応の違法性は,原告の上 - 4 - 記言動によって否定されない。 ウ したがって,被告Aらは,共同不法行為責任を負う。 (被告市の主張) ア 前自治委員であった被告Aが平成25年4月8日に被告市に対してa自 治区の戸数が14戸から13戸に減少した旨届け
主文(判決文より)
1 被告A,同B及び同Cは,原告に対し,連帯して110万円及びこれに 対する平成29年11月7日から支払済みまで年5分の割合による金員 を支払え。 2 被告Aは,原告に対し,33万円及びうち22万円に対する平成29 年11月7日から,うち11万円に対する平成30年10月23日から, いずれも支払済みまで年5分の割合による各金員を支払え。 3 原告の被告A,同B及び同Cに対するその余の本訴請求,原告の被告 宇佐市に対する本訴請求並びに被告Aの反訴請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,本訴反訴を通じて,次のとおりとする。 ⑴ 原告に生じた費用の150分の87,被告Aに生じた費用の60分 の17,被告B及び同Cに生じた費用の各3分の2並びに被告宇佐市 に生じた費用を原告の負担とする。 ⑵ 原告に生じた費用の150分の43及び被告Aに生じたその余の費 用を同被告の負担とする。 ⑶ 原告に生じた費用の150分の10及び被告Bに生じたその余の費 用を同被告の負担とする。 ⑷ 原告に生じた費用の150分の10及び被告Cに生じたその余の費 用を同被告の負担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。