傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所大分地方裁判所
事件番号令和5(わ)261
判決日2024-07-25
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
本件の争点は、過剰防衛の成否である。具体的には、弁護人は、被害者のAに対
する判示の抱きつき行為(以下「本件抱きつき行為」という。)は、Aの性的な自
由や身体の安全に対する急迫不正の侵害に当たり、被告人は、Aを守るために、判
示の暴行(以下「本件暴行」という。)に及んだが、防衛の程度を超えていた旨主
張するのに対し、検察官は、本件当時の事情・状況全般を総合すると、Aに対する
危険が差し迫り、被告人が反撃行為に出ることが正当とされるような緊急状況、す
なわち、急迫不正の侵害は認められない旨主張する。
第2 当裁判所の判断
1 本件の事実関係
関係証拠によれば、本件の事実関係は、以下のとおりである。
⑴ 本件前日午後11時頃、被告人とAは、被害者を含む被告人の飲み仲間が開
催していた飲み会に途中参加した。Aと被害者は、Aが被害者の働くバーを利用し
た際に二、三回会ったことがある程度の関係であった。
⑵ その後、被告人らは、店を変えながら飲み会を続けていたところ、店内や路
上において、酒に酔った被害者が、Aに抱きついて持ち上げる、手や腕をつかんで
引き寄せる、頭をなでるなどの行為に及ぶことがあった。これに対し、素面のAは、
不快に思いながらも、場の雰囲気を壊したくないなどの理由から、被害者の行為を
明示的に拒絶することはせず、被告人は、二人を遠ざける、二人の間に割って入る
などの対応を取ることがあった。
⑶ 本件当日午前3時28分頃、被告人らが次の店に向かって歩いていたところ、
被害者がAに接触したため、被害者の行動が行きすぎであると感じ始めていた被告
人は被害者を手で押してAから遠ざけた。
⑷ 同日午前3時29分、被告人らが引き続き歩いていたところ、被害者がAの
背後から本件抱きつき行為に及んだ。Aは、被害者を振りほどこうとしたが振りほ
どけず、強い拒絶の趣旨で「もういいっちゃ」と言った。本件抱きつき行為を見た
被告人は、いい加減にしろという意味の言葉を発し、被害者を路上に引き倒した。
すると、被害者はAの身体に手を触れたまま路上に倒れ、Aも被害者もろとも倒れ
る形になった。被告人は、Aが立ち上がり始めた時、路上に倒れた被害者の腹部を
右足で1回蹴り、さらに、立ち上がり終えたAに制止されながらも、仰向けに倒れ
た被害者の腹部を右足で1回踏みつけた。
⑸ 被告人は、本件暴行直後、なおも被害者に向かっていこうとしたが、飲み仲
間に制止された。他方、被害者は、いったん立ち上がったものの、再び倒れた。な
お、被害者は、その後搬送先のB病院で判示の傷害に起因する失血により死亡が確
認されたが、その時点で強度酩酊状態であった。
2 検討
⑴ 本件抱きつき行為は、女性であるAが、さして親しいわけではない男性であ
る被害者から、その意に反して、振りほどこうとしても振

主文(判決文より)

被告人を懲役6年に処する。
未決勾留日数中150日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。