事件の基本情報
| 裁判所 | 大分地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)116 |
| 判決日 | 2025-01-29 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は被告人の責任能力の有無・程度であり、検察官は心神耗弱の状態に とどまっていた旨主張するのに対し、弁護人は心神喪失の状態にあった疑いがある 旨主張する。 第2 当裁判所の判断 1 捜査段階で精神鑑定を担当したB医師は、当公判廷において、本件犯行当時 の被告人は妄想型統合失調症及びアスペルガー症候群にり患していたとした上で、 「被告人は、もともと争い事を好まない穏やかな性格であり、被害者を尊敬してい たが、被害者に対する被害妄想や幻聴等が急性増悪し、人格も先鋭化した状態で本 件犯行を行っていることから、当時、幻聴や被害妄想に強く影響された状態にあっ た。本件は、前記被害妄想と自宅(被害者方を指す。)で生活を続けることへの危 機感を抱き、精神的に追い込まれた被告人が、自らの生命や生活を守るために行っ た自己防衛的犯行と考える。他方、本件犯行の計画性や、犯行後、証拠隠滅を図る ような自己防衛的行動を行っていることを考えると、犯行の意味・性質や違法性は 不十分ながらも認識していた」旨の意見を示している。 B医師の公正さや能力に疑いはなく、この意見を採用し得ない合理的な事情は認 められない。 2 そこで、B医師の前記意見を踏まえ、関係証拠によって認められる事実関係 を前提に、被告人の責任能力の有無・程度につき検討する。 被告人は、遅くとも令和5年頃までに、姉や弟に意味不明な内容のメッセージを 送信するなどしており、幻聴等が出現していた様子がうかがわれること、令和6年 2月、被告人の精神状態を心配した被害者が、自宅で被告人と同居し始め、固定資 産税の支払等を催促するようになると、被告人は、経済的に困窮する自分を被害者 が経済的に殺そうとしているといった被害妄想を募らせていること、被告人は、も ともと争い事を好まない穏やかな性格であり、被害者は尊敬の対象であったのに、 同月下旬から同年3月2日にかけ、被害者との間で固定資産税の支払等をめぐって 口論を重ねた挙げ句、被害者に対する怒りや憎しみが爆発し、精神的・経済的苦痛 から解放されるためには被害者を殺害するしかないと考え、強固な殺意に基づく執 ような殺害行為に及んでおり、本件犯行の様相がもともとの人格とは異質であるこ とからすれば、本件犯行の動機形成や実行には妄想型統合失調症等による精神症状 が強く影響していたことは否定できない。 しかし、被告人は、同年2月、被害者との関係が悪化する中、弟に福岡県へ転地 するための借金を申し出るなど、被害者から逃れるための殺害以外の方法を検討し ていたこと、本件犯行に至る経緯において、被害者と口論になって殺害することを 考えた際、感情の赴くまま見境なく実行に及ぶわけではなく、その場で実行すれば 被害者から抵抗を受けるおそれがあると判断して殺害を思いとどまっていたこと、 本件犯行当
主文(判決文より)
被告人を懲役5年に処する。 未決勾留日数中150日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。