損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和2(ネ)1325
判決日2021-03-25
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張の要旨
⑴ 被控訴人の金融商品取引法167条3項違反の行為(教唆)は不法行為又
は債務不履行に当たるか
(控訴会社の主張)
ア 被控訴人に対しては,上記2⑴のとおり,金融商品取引法167条3項
の教唆犯に該当するとして,横浜地方裁判所が,平成25年9月30日,懲
役2年6月,執行猶予4年,罰金150万円に処する旨の有罪判決を言渡
し(乙2),被控訴人は,控訴の申立てをしたところ,東京高等裁判所は,
平成27年9月25日,控訴を棄却するとの判決をし(乙3),被控訴人
が,これに対して上告の申立てをしたところ,最高裁判所は,平成29年7
月5日,その上告を棄却する旨の決定をし(乙34),上記の有罪判決が確
定した。
イ これらの各刑事裁判の裁判書が,詳細に認定しているとおり,被控訴人
は,控訴会社の投資銀行本部内の会議における報告等で知った①D社の株
式の公開買付けが実施されるとの情報,②G社の株式の公開買付けが実施
されるとの情報,③H社の株式の公開買付けが実施されるとの情報につき,
いずれも公表前にBに伝え,BがF名義でこれらの株式を購入したことは,
金融商品取引法167条3項の教唆犯に該当するから,不法行為又は控訴
会社の内部者取引管理規程(本件規程)11条1項に違反する債務不履行
に基づく損害賠償として,控訴会社に生じた損害の賠償をすべきである。
(被控訴人の主張)
被控訴人が,控訴会社の投資銀行本部内の会議における報告等によって,
本件インサイダー情報を取得していたこと,控訴会社主張の日時にBに電話
をかけたことは認める。
しかし,被控訴人は,本件インサイダー情報をBに伝達したことはないか
ら,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償をする義務はない。
⑵ 損害の発生及び額
(控訴会社の主張)
控訴会社が,被控訴人の不法行為又は債務不履行によって被った損害は,
次のアからカまでの合計6億1191万1411円が相当である。なお,本件
訴訟においては,その一部である5991万1411円及び遅延損害金を請
求する。
ア 控訴会社に設置した調査委員会に要した費用(2391万1247円)
控訴会社は,事実関係を調査し,社会的信用の低下を食い止め,その信
用を回復するために必要な対策として,外部専門家からなる調査委員会を
設置し,その費用として2391万1247円を支払った。
イ 調査委員会に専従した控訴会社従業員の人件費(558万円)
控訴会社は,従業員6名に対して,被控訴人のスケジュールの把握や被
控訴人の行動一覧表を作成するなど,調査委員会の調査の補助業務を行わ
せ,人件費として558万円を支払った。
ウ 捜査機関の聴取に応じた控訴会社従業員の人件費(295万5000円)
控訴会社は,証券取引等監視委員会及び検察庁の聴取に応じるように従
業

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,1500万円及びこれに対する平成24年8
月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 控訴人のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は第1,2審を通じてこれを4分し,その1を被控訴人,その余
を控訴人の負担とする。
5 この判決は,主文第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。