殺人未遂,器物損壊被告事件

事件の基本情報

裁判所甲府地方裁判所
事件番号平成22(わ)376
判決日2011-05-24
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法261条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①被告人が自己の意思で被害者の頸部を絞め付
けるのをやめたのか,②中止行為として,結果発生防止に向けた真摯な努力を
要するかの2点である。
第2 事実関係
関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。
1 犯行状況
 被告人は,前記乙大学甲府キャンパスJ号館3階311号室において,ソ
ファーに座った被害者に目をつぶらせた上,刃体の長さ約13.5センチメ
ートルの包丁で,同人の左腹部を突き刺した。
 さらに,被告人は,前記ソファーに座っている被害者を押し倒すようにし
て,同人の喉を両手でつかみ,同人が意識を失いそうになる程の強い力で,
頸部を絞め付けた。被害者が,被告人の手と自身の喉の間に両手の指を差し
込むようにして抵抗したところ,被告人の手は緩んだが,被告人は,再び両
手で喉をつかんで,強い力で頸部を絞め付けた。
 その後,被害者が,被告人の両手を頸部から引き離そうとして,被告人の
手をつかんだ後,被告人の手は,頸部から離れた。
 さらに,被告人は,被害者の喉に向けて両手を伸ばしたが,同人が「やめ
て。」と言いながら両手を前に出して制止したところ,それ以上,同人の頸部
を絞め付けなかった(この点に関する被害者の供述(甲3)に不自然な点は
なく,信用できる。他方,被告人も,公判廷において,このような行為をし
たかについて,覚えていないと供述するのみで,明確にこれを否定していな
い。)。
 被告人が被害者の頸部を絞め付けていた時間は,約2分間であった。
2 犯行後の状況
 被害者は,左腹部の傷からの出血が多くなり,痛みが増してきたため,持
っていた携帯電話で,119番通報して救急車を呼ぼうとしたところ,被告
人は,被害者から携帯電話を取り上げた。携帯電話を取り上げられた被害者
は,被告人をなだめて携帯電話を取り返した。
このような遣り取りは3回ほど繰り返された(この点に関する被害者の供
述(甲3)にも不自然な点はなく,信用できる。被害者から携帯電話を取り
上げた回数について,被告人は,公判廷において,1回だったと思うと供述
する一方で,回数ははっきりと覚えていないとも供述しており,この点に関
する被告人の供述は,曖昧で信用できない。)。
 その後,被告人は,「死にたい,殺して。」と言って,包丁を手に取り,刃
先を自身の胸辺りに向けたところで,被害者に包丁を取り上げられたり,「傷
が痛いから救急車呼んでいい。」と言う被害者から,携帯電話を取り上げ,「ど
うしよう,どうしよう。」と言い続けるなどしていた。
 そのため,被害者は,「これ以上,大事になる前に救急車を呼ぼう。」,「私
が電話するから。」などと被告人を説得し,携帯電話を取り返し,自ら119
番通報をした。被害者は,被告人に対し,救急隊員を誘導することを依頼し
たが,被告人は,

主文(判決文より)

被告人を懲役3年に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。
押収してある包丁1本(平成23年押第4号符号1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。