保険金請求事件

事件の基本情報

裁判所甲府地方裁判所
事件番号平成22(ワ)611
判決日2013-03-26
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
 本件火災は原告ないし原告と意を通じた第三者が故意に惹起したものか
(被告の主張)
本件火災には,以下のとおり各種の不自然・不合理な事情が多数散見され,保
険契約者である原告又は原告と意を通じたXことA(以下「X」という。)の意
思に基づき招致された火災であることを優に推認できるので,被告は,本件保険
契約に基づく保険金の支払義務を免責される。
ア 火災の原因が放火であること
 出火日時,出火場所及び出火態様
本件建物は,北側1階の外周部の焼けの度合が強く,建物内部においては,
1階北西部の部屋の焼けが著しく強くて,2階及び3階には独立燃焼を推定
できる各階床面からの立ち上がり燃焼は確認されていない。また,1階北西
部の部屋においては,押入れのある東側の石膏ボードが全て脱落し,東隣の
和室側の石膏ボードも所々脱落しているのに対し,外に面した西側の石膏ボ
ードは所々残っていること,1階北西部の部屋の南側押入れ上部を中心とし
て天井が焼失していること,押入れ部分の柱,敷居,地板等の亀甲模様が強
く炭化深度も深いこと等から,1階北西部の部屋の南側押入れが本件火災の
出火場所であると考えられる。
そして,同部屋の焼け細りが認められた南側押入れの敷居,焼け切れが認
められた南側押入れ内の壁体のヌキ(下地板),同部屋の北側押入れにて焼
き込みの見られた幅木の近傍から,酢酸ブチル及びメチルイソブチルケトン
(シンナー,ラッカー等に使われる有機溶剤で,いずれも消防法の危険物第
4類に該当する引火性の高い化学物質)に相当する油性成分が検出されてい
る。このことは,本件火災にこれらの油分が助燃剤として使用されたことを
端的に示すものである。
本件火災は,深夜,人気のない無人の居室から出火したものであること,
出火場所付近から油性反応が検出されており,助燃剤として酢酸ブチル等を
含有する有機溶剤様のものが散布された可能性が高いこと,居住者であるB
が保有していたシンナーや溶剤は同人以外には分からない場所に保管され
ており,助燃剤として使用された有機溶剤様のものは何者かによって持ち込
まれたものであること,出火当時,上記居室には火元となるものは置かれて
いなかったことなどの事実は,本件火災の原因が人為的なもの,すなわち,
放火であることを強く推認させるものである。
原告は,①消防の実施したガス検知管による調査によって油性反応が認め
られなかったのは不自然である,②助燃剤が散布されたのであれば布団から
油性成分が検出されないのは不自然である,③押入れの木材のニス等に含ま
れる油性成分が検出された可能性も否定できないと主張する。しかし,①ガ
スクロマトグラフ質量分析法の精度は北側式ガス検知管のそれをはるかに
凌ぐものであるところ(ガス検知管の1万5

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。