事件の基本情報
| 裁判所 | 岡山地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(わ)718 |
| 判決日 | 2016-02-09 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法45条、刑法190条、刑法199条、刑法235条 |
この事件の代理人
- 請求(被告代理人)
争点(判決文より)
争点は判示第2の1における殺意の有無である。 関係証拠によれば,被告人は,万能はさみの片刃(刃体の長さ約6.9cm。以 下,単に「はさみの片刃」という。)を右手で逆手に持ち,軽四自動車の助手席に 座り込みながら,運転席に座っていたBの上半身に刺さることを認識しながら,手 加減することなく力一杯振り抜いたこと,その結果,はさみの片刃をBの前頸部に 刺してBを失血死させたことが認められる。このような被告人の行為は,Bを死亡 させる危険性の高い行為であることは明らかであり,被告人はそのような自らの行 為を認識していたのであるから,被告人に殺意があったこともまた明らかである。 弁護人は,被告人は,うそをついたBに謝罪をさせたかっただけで,一定の危害 を加えることは想定していたが,殺害することまでは考えておらず,Bを殺害する 動機はなかったこと,被告人は,はさみの片刃について,Bからの攻撃に対抗する - 2 - ための護身用のために自宅から持ち出したことなどを指摘して,被告人には殺意が 認められないと主張するが,弁護人の前記指摘は,いずれも被告人が計画的に犯行 に及んだものではないことをうかがわせる事情にすぎない。被告人は,その供述に よっても,犯行の直前,Bが謝罪しないばかりか,カッターナイフを取り出したこ とに激高したものであり,Bに対して激しい怒りを抱いていたものと認められる (なお,Bがカッターナイフを取り出したなどという被告人の供述は,軽四自動車 の運転席ドア内側のポケットからカッターナイフが発見されていること,被告人 は,Bがカッターナイフを取り出したというものの,刃は出ておらず,それで被告 人を攻撃することもなかったとも述べており,被告人に一方的に有利な内容ばかり を供述するものではないことなどから,信用できる。)。このような動機に関する 事情は,むしろ被告人が殺意を有していたことを裏付けるものといえる。その余の 弁護人の指摘する事情を検討しても,当裁判所の判断は左右されない。 以上によれば,被告人には殺意が認められ,殺人罪が成立する。 [法令の適用] 罰条 判示第1の1,2の行為 包括して大麻取締法24条の2第1項 判示第2の1の行為 刑法199条 判示第2の2の行為 銃砲刀剣類所持等取締法31条の18第3号,22条 判示第2の3の行為 刑法235条 判示第2の4の行為 刑法190条 判示第2の5の行為 道路交通法117条の2の2第1号,64条1項 刑種の選択 判示第2の1の罪 有期懲役刑を選択 判示第2の2,3,5の各罪 いずれも懲役刑を選択 - 3 - 併合罪の処理 刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示 第2の1の罪の刑に法定の加重) 宣告刑 少年法52条1項(本件は,平成26年法律第23号 の施行前の行為と施行後の行為が併合罪関係にあ
主文(判決文より)
被告人を懲役7年以上12年以下に処する。 未決勾留日数中360日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。