旧優生保護法被害損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所静岡地方裁判所
事件番号平成31(ワ)54
判決日2023-02-24
分類民事
判決種別命令
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、憲法13条、憲法14条1項、憲法24条2項、憲法32条、憲法99条、民法724条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 原告は優生保護法に基づく優生手術を受けたか(争点1)
⑵ 優生保護法又は原告に対する優生手術に関し、被告に国家賠償法上の違法性
が認められるか(争点2)
⑶ 原告の損害(争点3)
⑷ 民法724条後段の適用及び効果制限(争点4)
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1(原告は優生保護法に基づく優生手術を受けたか)について
(原告の主張)
原告は、昭和45年10月頃(当時▲歳)、結婚式前に、a市内の産婦人科医
院において、優生保護法に基づく優生手術を受けた。
(被告の主張)
不知。
⑵ 争点2(優生保護法又は原告に対する優生手術に関し、被告に国家賠償法上
の違法性が認められるか。)
(原告の主張)
ア 優生保護法の違憲性
優生保護法に基づく優生手術は、生殖により子を持つという行動の自由と
してのリプロダクティブ権、個人の尊厳にとって根源的な人格的自律並びに
人間の尊厳の基盤としての人格及び人格的自律性を支える身体(身体的完全
性)を侵害するものであり、憲法13条に反する。また、優生手術は、国家
が障害者等を選別し、障害者等が子孫を持って養育できないようにするもの
であり、憲法14条1項に反する。さらに、優生保護法は、家庭生活におけ
る個人の尊厳を保障する憲法24条2項に反するものであり、被告が優生保
護法の制定やこれに基づく優生手術を含む政策を実施したことによって国
民の間に原告を含む障害者に対する差別や偏見を助長し、救済措置を実施し
なかったこと及び差別解消をしなかったことによって障害者等の司法アク
セスが困難となったという点で障害者等の裁判を受ける権利(憲法32条)
を侵害するものであった。
イ 優生保護法の立法行為の違法性
優生保護法は、その内容に照らして、明らかに憲法13条、14条1項、
24条2項に違反するものである。国会議員による優生保護法の立法行為
(昭和27年の優生保護法の改正を含む。)は、その内容が、国民に憲法上保
障されている権利を違法に侵害するものであることが明白であるにもかか
わらず行われたのであるから、国家賠償法上、違法の評価を受けるべきであ
る。
ウ 優生政策の実施及び原告に対する優生手術の違法性
優生保護法を所管する厚生労働大臣は、憲法尊重擁護義務があり(憲法9
9条)、都道府県知事に対し、本人の同意によらない優生保護法4条に基づ
く優生手術を実施しないようにすべき職務上の注意義務を負っていたにも
かかわらず、むしろ積極的に違憲・違法な優生政策を実施させ、優生手術を
推進したものであり、これは、同注意義務に著しく違反する。
原告に対する優生手術も、上記注意義務違反に起因して行われたものであ
るから、被告は、このような厚生労働大臣の公権力の行使たる職務行為につ
き、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う。
エ 国会

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、1650万円及びこれに対する平成31年2
月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを2分し、その1を原告、その余を被告の負担と
する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。