事件の基本情報
| 裁判所 | 静岡地方裁判所 沼津支部 民事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ワ)357 |
| 判決日 | 2024-09-18 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 命令 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 被告の行為に係る不法行為の成否(争点1) 被告の公務員個人としての責任の成否(争点2) 2 争点に関する当事者の主張 被告の行為に係る不法行為の成否(争点1) (原告の主張) 被告は、熱海市長就任時(平成18年9月)から本件土石流発生まで本件 条例上の規制権限を行使する立場にあったところ、被告の以下の行為には重 過失があり、熱海市及び静岡県の違法行為と相まって本件土石流の発生に至 らしめ、これによって本件土地の交換価値が失われたから、本件土地の所有 者である原告に対して不法行為が成立する。 ア 被告は、本件条例上、「土砂の崩壊、流出等による災害が発生するおそれ があると認める」場合、土採取等の計画変更の勧告や措置命令を出す必要 があったところ、本件土地の前所有者が本件土地に形成した盛土が、同人 が熱海市に提出した届出の内容を大幅に超えていたにもかかわらず、平成 19年から本件土石流発生までの約14年間もの間、計画変更の勧告や措 置命令を発出しなかった(以下「本件規制権限の不行使」という。)。 イ 被告は、静岡県と気象庁が令和3年7月2日12時30分「土砂災害警 戒情報」を出していたにもかかわらず避難指示を見送り、その後も断続的 に1時間当たり20ミリリットルの雨量を観測し、同月3日午前4時30 分時点では100年以上に一度の土砂災害発生危険度となっていたこと 等により避難指示を出す必要が生じていたにもかかわらず、避難指示を発 令しなかった(以下「本件避難指示不発出」という。)。 (被告の主張) ア 原告の上記主張は否認ないし争う。 イ なお、本件規制権限の不行使及び本件避難指示不発出はいずれも被告が 市長である熱海市の裁量権の範囲を逸脱等するものではなく、違法ではな い。 被告の公務員個人としての責任の成否(争点2) (原告の主張) 本件において、被告の公務員個人としての責任は肯定されるべきであり、 その理由は以下のとおりである。 ア 民法709条の「他人の権利(中略)を侵害した者」に公務員が含まれ ないとはされておらず、むしろ、国家賠償責任の代位責任としての法的性 質からすると公務員の個人責任は肯定されるべきである。 イ 本件は、上記 「原告の主張」欄記載のとおり、本件規制権限の不行使 及び本件避難指示不発出という不作為に対して責任追及をしているもので あるから、損害賠償義務の発生を恐れるがゆえに公務員が公務の執行をた めらうというような弊害はなく、また、上記各不作為は故意と同視できる 重過失に当たるから、公務員の個人責任を肯定することはかえって公務の 適正な執行を促すこととなる。 ウ 現行の法制度においては、公務員に対する求償が確実に行われることに はなっておらず、公務員の個人責任を否定した場合の被害者の報復感情の 満足や公務員の権限濫用防止の観点
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。