事件の基本情報
| 裁判所 | 静岡地方裁判所 浜松支部 刑事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)166 |
| 判決日 | 2025-07-18 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 検察官は、判示第3の行為は、被害者を死亡させる危険性が極めて高い行為であ り、被告人もその危険性を十分わかっていたこと、被告人は被害者を殺害する動機 があることなどから、被告人に殺意が認められると主張する。他方、弁護人は、被 告人が被害者を湖面に落とした時点では被害者の意識状態は相当程度回復しており、 被害者が死亡する危険性は高くなく、少なくとも被告人は行為の危険性を認識して いなかったこと、殺害の動機がなかったことなどの事情からすれば、被告人に殺意 があったとはいえないと主張する。 第2 当裁判所の判断 1 浜名湖に突き落とす行為が、被害者を死亡させる危険性が極めて高い行為で あること ⑴ 浜名湖に転落した時点における被害者の意識状態 被告人は、自ら、あるいはGと共に、被害者に意識障害を生じさせる原因となっ た多数回かつ強度の暴行を被害者の頭部や顔面に加えている。すなわち、被告人及 びG(以下「被告人ら」という。)は、D方及びその周辺において、被害者の頭部 や顔部を拳で殴ったり足で蹴ったりした。被告人は、ガラス製の酒瓶が割れるほど の力で被害者の頭部を殴ったほか、被害者の後頭部に対し、コンクリートの地面や 輪留めによる打撃も加えていた(甲85)。そして、被害者を浜名湖に運んだ後も、 被告人らは被害者の頭部や顔面を蹴ったほか、被告人は、被害者の顔面を地面に3 回勢いよく打ち付けた(甲87)。このような一連の暴行によって、被害者は、そ の顔面に多数の表皮剥奪や打撲、後頭部に挫裂創を負ったほか、頭部内部において は、皮下全体にわたる程度が強い出血がみられ、頭部左右側面の筋肉に血腫が付着 し挫滅状になるなどの外傷を負った(甲88)。 また、被告人らが各暴行時に撮影した動画によると、被害者は、D方玄関付近で は痛みや刺激に反応できない状態にあったし(甲85)、浜名湖では、手足を曲げ る、発語するなどの反応を示すようになってはいるものの、発語の中身は、うめき 声や泣き叫ぶ声だったり、その場にいないF(被害者の友人)の名前を呼んだり、 Fに手を出すなよなどというその場の状況に全くそぐわない内容に過ぎず、被告人 らに引きずられ、何度も暴行を加えられても、手を払いのけたり、逃げるなどとい う有効な抵抗はできておらず、被告人が最終的に被害者の背部を押し、斜面を転が して浜名湖に突き落とした際は、されるがままになっていて全く抵抗ができていな い(甲87)。 以上からすると、被告人が被害者を浜名湖に突き落とした時点において、被害者 は、自分が置かれた状況を理解し、その状況に即して適切に対応することが不可能 ないし著しく困難な状態にあったと認められるから、溺水を回避できるような意識 状態にはなかったこと、すなわち意識障害の状態にあり、その程度は、トランクに 押し込まれた
主文(判決文より)
被告人を懲役18年に処する。 未決勾留日数中370日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。