事件の基本情報
| 裁判所 | 静岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ワ)699 |
| 判決日 | 2025-11-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法14条1項、憲法21条1項、憲法37条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 本件の主な争点は、本件一括交付が平等原則に違反して弁護権を侵害する国 家賠償法上違法な行為であるか否かであり、これに関する当事者の主張は、以 下のとおりである。 (原告らの主張) (1) 裁判所による報道機関に対する判決要旨の交付は、司法行政上の便宜供与 であるとともに、報道を通じて判決内容を知る国民の立場からすれば、憲法 21条1項で保障された判決内容を知る権利を実現するためのものでもある。 そして、刑事裁判の弁護人には、報道機関ないし国民の知る権利とは別に、 憲法37条1項、3項の弁護権が保障され、これに由来する当該刑事事件の 判決内容を誰よりも最も早くかつ正確に知る権利を有するというべきである。 したがって、この弁護人の権利が他の権利主体との関係で差別された場合に は、憲法14条1項による平等原則違反の問題が生じ、憲法上の根拠規定は 異にしても報道機関と同じ内容・性質の権利を有する弁護人に対し、判決要 旨の交付について合理的な理由なく報道機関と異なる取扱いをしてこれを拒 否することは、平等原則に違反し、かつ、弁護権を侵害する。なお、訴訟関 係人に対する判決要旨の交付であっても、司法行政上の便宜供与である性質 は変わらず、判決要旨の交付の折衝窓口が書記官ではなく総務課であること や、判決要旨の交付は訴訟の進行が終わった後に行われるものであることか らも捉えられるように、その主体は、訴訟法上の裁判所ではなく、官署とし ての裁判所の行為というべきである。 この点、静岡地方裁判所が、別件刑事事件の判決について、報道機関に対 する本件判決要旨の5分割交付という異例の方法をとったのは、多くの国民 がその判決内容に関心を抱いており、報道機関を通じていち早く正確にその 内容を知らせることに意味があると判断したためであろうが、弁護人にとっ ても同様に判決の内容をいち早く知ることは非常に有益な状況にあったもの であり、そのような原告らに対して、報道機関らのために15部以上用意し ていた本件判決要旨の写しを1部だけ増やして5分割交付をすることは容易 であり、これに伴う支障は全く想定されなかったにもかかわらず、静岡地方 裁判所がこれを拒み、報道機関に劣後する取扱いをしたことに合理的な理由 はないから、その差別的な取扱いは、平等原則に違反して弁護権を侵害する ものであり、国家賠償法上違法である。 (2) 百歩譲って、報道機関に対する判決要旨の交付と弁護人らに対する判決要 旨の交付の法的性質が異なると考えるとしても、行為自体は誰が見ても全く 同じものであり、同じ行為であれば、平等権の比較の対象とできるところ、 報道機関に対しては5分割交付を認め、弁護人らに対してはこれを認めない ことは、やはり差別であり、平等権を侵害する。裁判所の訴訟指揮が独立で あるからと
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。