事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ワ)503 |
| 判決日 | 2011-08-30 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 決定 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) A保育所廃止の違法性 (2) 損害 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点(1)について ア 原告の主張 (ア) 原告の法的利益について 児童福祉法24条(平成20年法律第85号による改正前のもの)は, 保護者に対してその監護する児童にどの保育所で保育の実施を受けさせ るかを選択する機会を与え,市町村はその選択を可能な限り尊重すべき ものとされていることから,保護者には,保育所を選択する権利が保障 されている。そして,この保育所選択権には,当該保育所に入所した後, 当該保育所において一定期間にわたる継続的な保育の実施を受ける権利 ないし法的利益も含まれ,保育所選択権の前提として,保護者には保育 所を選択する際の基礎情報の提供を受け,適切な説明を受ける権利が保 障される。 (イ) 被告の義務 被告は,保育所選択権を保障する観点から,保護者等の意見を尊重し, 保育所の廃止をできるだけ回避する検討をすべき義務(保育所廃止回避 義務ないしは回避努力義務)を負っている。 また,被告は,仮に公立保育所の廃止・民営化を行う場合であっても, 十分な引継ぎ期間を取り,保育内容,保育の実施に当たる職員に継続性 が保たれるような措置を講じた上,保護者に対して,保護者の懸念や不 安を少しでも軽減するために説明を十分に尽くすなどの配慮をし,児童 の心身に十分配慮した適切な措置を講ずるなどの配慮を行うべき義務 (以下,上記内容を総称して「配慮義務」という。)を負っている。 そして,以下に述べる事情に照らせば,被告が上記各注意義務に違反 し,A保育所を廃止・民営化したことは明らかであり,原告の保育所選 択権を侵害するものとして違法というべきである。 (ウ) 保育所廃止回避義務あるいは保育所廃止回避努力義務違反 被告は,A保育所の廃止・民営化の理由について,保育所施設の老朽 化のため,早期の建替えが必要であり,その機会に民間の力を利用して 保育所を新設し,民営化により多様な保育ニーズに応えられるようにな るなど保育環境の充実を主張するが,被告が主張する内容はA保育所を 民営化しなければできないことではなく,公立保育所でも十分実現可能 なことであるから,A保育所を廃止・民営化する理由にはならない。 被告は,公立保育所を維持することを何ら検討せず,民営化ありきで A保育所の廃止・民営化を計画・実行しており,「子の最善の利益」のた めに公立保育所で実現可能なことは,まず公立保育所で実現努力すると いう被告の責任を放棄している(保育所廃止回避義務ないしは保育所廃 止回避努力義務違反である。)。そして,経済的効率性のために公立保育 所の廃止・民営化を進めることは不合理であり,児童の安定した発達成 長の観点からすれば,入所中の児童を保護者の都合以外の理由で別の保 育所に移動させること
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。