運転免許取消処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号平成22(行ウ)1
判決日2012-01-23
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件処分の適法性に関し,本件事故における被害者の治療期
間を3か月以上と認定した処分行政庁の判断に,処分の取消事由となる違法が
あるか否かであり,この点に関する当事者の主張は以下のとおりである(なお,
原告は,処分手続に重大な違法がある旨主張するが,同主張は,結局のところ,
治療期間の認定の違法性の有無を問題とするものということができるから,上
記争点に関する主張として整理した。)。
(1) 原告の主張
本件事故により被害者に生じた右中手骨骨折は,骨折一般に比べても骨癒
合が早く,通常の診断,治療によれば約3週間で治癒に至るものであるとこ
ろ,C医師は,明白な骨折線が写っているレントゲン写真を2回にわたり見
逃し,本来であれば骨折を疑って精密検査等をしてギプスによる固定処置を
すべきであるにもかかわらず,弾性包帯を巻いたのみで経過観察としたため,
被害者の骨折部分に転位が生じ,治療期間が約106日間もの長期間となっ
たものである。しかしながら,未だ転位が生じていない平成21年6月3日
時点でギプス固定をしていればその後約3週間で治癒していたことは明らか
である。また,仮にC医師の診断を前提にしても,ギプス固定が解除された
同年7月22日には概ね治癒していたというべきであり,遅くとも,同年8
月12日には骨折線も消滅して治癒に至っていたことが明らかであるから,
同年9月9日を治癒日とする合理的根拠は一切なく,本件事故における被害
者の治療期間は少なくとも90日未満であったといえる。
ところが,処分行政庁は,治療期間が90日以上であるか否かが運転者に
とって非常に重要であるにもかかわらず,未だ本件事故から90日を経過し
ていない段階において,C医師に治療状況を確認しないまま,今後約3か月
間の加療を要する「見込み」とした本件診断書のみを根拠に本件処分に及ん
だものであるから,本件処分には,治療期間の認定を誤った違法があるとい
うべきである。
(2) 被告及び被告補助参加人(以下「被告ら」という。)の主張
原告は,C医師が,本件事故当日,被害者に生じていた右中手骨の骨折線
を見逃した旨主張するが,その主張は,骨折の確定診断が可能な平成21年
6月16日時点でのMRI画像を見たD医師がレトロスペクティブな視点か
ら本件事故当日のX線画像を読影した結果下した判断を前提とするものであ
り,本件事故当日において,C医師が被害者の骨折につき確定診断をしなか
ったからといって誤診があるとはいえない。現に,C医師は,本件事故当日
も被害者の右中手骨骨折を疑ったからこそ,X線画像を撮影しているのであ
って,その疑いをもとに,打撲や捻挫の可能性も考慮して,ギプス固定まで
はせずに弾性包帯を巻いて経過観察を行うこと自体は,医療水準に合致した
適切な判断である。そして,一

主文(判決文より)

1 宮城県公安委員会が原告に対して平成21年8月26日付けでした運転免許
取消処分を取り消す。
2 訴訟費用のうち補助参加によって生じた費用は,被告補助参加人の負担とし,
その余の訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。