監視活動停止等請求事件等

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号平成19(ワ)1648
判決日2012-03-26
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
本訴の争点は,①原告らの差止請求に係る訴えは適法か否か,すなわち,原
告らのいう「表現活動の監視による情報収集等」が差止めの対象として特定し
ているか否か,②情報保全隊が原告らに対し「表現活動の監視による情報収集
等」をしたか否か,特に,本件各文書の真の原本が存在し,これが情報保全隊
により作成されたものか,③情報保全隊がした「表現活動の監視による情報収
集等」は適法か否かであり,争点に関する当事者の主張は次のとおりである。
(1) 争点①(原告らの差止請求に係る訴えは適法か否か)
ア 原告ら
原告らのいう「表現活動の監視による情報収集等」は,情報保全隊が,
市民,市民団体等の集会,署名活動,デモ等の表現活動の情報を収集した
上で,収集した情報を本件各文書のような資料にまとめ,自衛隊内部に配
布する行為を示すことは明らかである。
被告は,原告らのいう「表現活動の監視による情報収集等」の意味が不
明確であるなどと主張するが,「監視」や「情報収集」といった単語は被
告が制定した法律においても何ら定義規定なく使用されている。
なお,情報保全隊は,前身の調査隊の頃から「表現活動の監視による情
報収集等」を行っていたのであって,そのほか,平成22年4月9日の衆
議院安全保障委員会及び同年5月27日の参議院外交防衛委員会における
政府答弁も踏まえると,情報保全隊が原告らを含む国民に対し現在も「表
現活動の監視による情報収集等」を,日常的,恒常的,継続的に全国各地
において継続していることは疑いのないところである。
イ 被告
原告らのいう「表現活動の監視」及び「情報収集」なる言葉は,極めて
抽象的で,かつ,広汎な意味を持ち,いかなる行為を指すか不明であり,
差止めの対象として不特定であるから,差止請求に係る訴えは不適法であ
る。
(2) 争点②(情報保全隊が原告らに対し「表現活動の監視による情報収集
等」をしたか否か)
ア 原告ら
(ア) 情報保全隊は,原告らがした別紙活動等一覧表「参加した活動等」
欄記載の活動等について,情報保全隊員又はその関係者が活動等の状況
をカメラ等で撮影し,発言内容等を録音機で保全するなどして,詳細に
監視し,その結果を本件文書1のとおりにまとめた上で,本件文書1を
自衛隊内部に定期的に配布し,集約された全国各地の情報を整理,分析
して,本件文書2のとおりに一元化した。
(イ) 本件各文書の真の原本が存在し,これが情報保全隊によって作成さ
れたことは,本件各文書の内容,公表経緯,当時の防衛大臣の国会にお
ける答弁等からすれば,明らかである。
被告は,本件各文書の真の原本の存在及び成立について認否をしない
が,被告が認否をすることは容易であるし,また,被告が認否をしても
情報保全隊の正当な情報保全業務に支障を生ず

主文(判決文より)

1 原告らの差止請求に係る訴えを却下する。
2 被告は,別紙認容目録「原告」欄記載の各原告に対し,同目録「認容額」欄
記載の金員及びこれに対する同目録「起算日」欄記載の日から支払済みまで年
5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,別紙認容目録「原告」欄記載の各原告と被告との間に生じたも
のは,同目録「負担割合」欄記載の割合の各負担とし,その余の原告らと被告
との間に生じたものは,同原告らの負担とする。
5 この判決は,本判決が被告に送達された日から14日を経過したとき,第2
項につき仮に執行することができる。ただし,被告が別紙認容目録「原告」欄
記載の各原告のために同目録「担保額」欄記載の担保を供するときは,その仮
執行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。