事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成20(ワ)856 |
| 判決日 | 2012-05-07 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①被告が,第2回診察(平成18年4月4日)の時点におい て,本件患者に対し,細胞診検査を実施すべき注意義務を負っていたにもかか わらずこれを怠った過失があるか否か(争点1),②被告が,第3回診察(平 成18年8月7日)の時点において,本件患者に対し,細胞診検査を実施すべ き注意義務を負っていたにもかかわらず,これを怠った過失があるか否か(争 点2),③争点1に係る過失と本件患者の死亡との間の因果関係の有無ないし 死亡時点における生存の相当程度の可能性の有無(争点3),④争点2に係る 過失と本件患者の死亡との間の因果関係の有無ないし死亡時点における生存 の相当程度の可能性の有無(争点4),⑤原告らが被った損害の有無及びその 額(争点5)であり,これらの争点に関する当事者の主張は,以下のとおりで ある。 (1) 争点1(第2回診察時における過失の有無)について (原告らの主張) 乳癌については,日本乳癌学会編「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドラ イン4検診・診断(2005年版)」(甲B1。以下「乳癌診療ガイドライ ン」という。)において,一般的には触診,マンモグラフィー,細胞診検査 を含めたトリプルテストが有用とされており,三つを併用すれば癌を見落と す率は非常に低いとされているから,経過観察の過程で通常とは異なる経過 が認められた場合にはトリプルテストを行うことが医療水準に照らして要求 されるというべきである。そして,本件患者については,第1回診察時にお いて,「cyst(嚢胞)4~5個」との記載があるように触知可能な乳腺 腫瘤が認められているところ,本件患者のように閉経後の女性の場合,乳腺 嚢胞は消失するのが一般的であるのに,第2回診察時においても,左乳房の 嚢胞性の病変が依然継続し,増強している印象すらあったことからすれば, 乳腺嚢胞との診断を見直す必要性があったというべきであり,被告には,同 時点において,触診と超音波検査にとどまらず,トリプルテストとして,細 胞診検査を実施すべき注意義務があったというべきである。 (被告の主張) 第2回診察時における本件患者の左乳房外側中央部の超音波検査画像では, 第1回診察時と同様,乳癌に典型的な不整形で輝度の低い,不均一な画像は 認められず,直径5mm未満の乳腺嚢胞が見られるにとどまっていたところ, 第4回診察時の画像は,それまでと全く異なった多房性の腫瘤像であり,こ の時点で初めて悪性の疑いが生じたものである。加えて,触診による腫瘤触 知でも,第1回診察時には「+」であったものが,第2回診察時には「-」 であった上,腋窩のリンパ節についても,同日時点では全く異常な所見が見 られなかったこと,同日から3か月という短期間での再検査を指示している ことからすれば,被告には,第2回診察時において,細胞診検査
主文(判決文より)
1 被告は,原告らに対し,それぞれ165万円及びこれに対する平成22年4 月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,これを6分し,その5を原告らの負担とし,その余を被告の負 担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。ただし,被告が, 原告らのために各150万円の担保を供するときは,それぞれその仮執行を免 れることができる。
出典
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