事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(ワ)1309 |
| 判決日 | 2012-07-05 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①本件行為につき国家賠償法1条1項にいう違法性が認めら れるか否か(争点1),②本件行為と本件船舶の損傷との間に因果関係が認め られるか否か(争点2),③損害発生の有無及びその数額(争点3)であり, これらの争点に関する当事者の主張は以下のとおりである。 (1) 争点1(国家賠償法上の違法性の有無)について (原告の主張) ア 本件行為の必要性,緊急性について 本件船舶は,平成23年3月13日に原告が確認した時点では,多少の 修理は必要なものの大きな損傷はなく,使用可能な状態であったところ, 自衛隊ないし協力会は,本件船舶を移動させた際に右舷船首部分及び左舷 前方部分を大きく損壊したのであるから,他人の所有物を撤去するに際し て,その物を損壊しないように撤去すべき注意義務に違反したというべき である。 本件当時,一般には生存者救助の必要性から道路上の障害物を撤去して 交通を確保する必要性があったことは認めるが,同月14日の時点では, 本件県道は既に重機によってがれきが整理され,その幅員の半分以上が通 行可能な状態になっており,本件船舶を移動するまでもなく本件県道を重 機が通行できたこと,同日時点で名取市における孤立地域は解消されてい たこと,本件船舶が移動された後の同月18日時点においても,本件船舶 付近にあった車両等が撤去されないまま本件県道を塞いでいたことからす れば,本件船舶が生存者の捜索・救出の障害となっていたとは認められず, 本件船舶を移動する緊急の必要性はなかったというべきである。なお,被 告は,閖上小学校に避難している負傷者や病人や,発見された遺体の搬送 ルートを確保するためにも,本件県道の通行確保が焦眉の課題であった旨 主張するが,被告が主張する搬送ルートの確保の必要性はあくまでも震災 当日である同月11日夜におけるものであって,本件行為当時には閖上小 学校に避難者はおらず,仮に避難者がいたとしても本件県道が通行可能な 状態にあり搬送ルートが確保されていたから,被告の主張は失当である。 そして,現に,同月15日以降,名取市では救助者が発見されておらず, 本件船舶付近からは遺体も発見されなかったのであるから,本件船舶を移 動する必要は否定されるべきである。 加えて,災害対策基本法64条2項は,緊急の必要がある場合に工作物 等の除去その他の必要な措置をとることができる旨定めているところ,本 件においては,本件船舶を移動すべき緊急の必要はなかったのであるから, 本件行為は同条同項にも違反し,国家賠償法1条1項の適用上違法である。 イ 本件行為の相当性について 本件船舶を移動する必要があったとしても,移動作業に当たっては,緩 衝材や当て木を用いることにより,重機による損傷を防ぐことが可能であ るから,このような処置が講じられないままに行
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。