事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ワ)2349 |
| 判決日 | 2012-09-13 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①3度目の授乳の不存在を前提とする,被告(被告病院の医 療従事者)の注意義務違反ないし過失(被告病院の看護室における看護中の安 全確認の懈怠を理由とするもの)の有無(争点1),②3度目の授乳の存在を 前提とする,3度目の授乳における被告(担当助産師)の注意義務違反ないし 過失(児の引渡時の安全確認又は監視の懈怠を理由とするもの)の有無(争点 2),③上記①又は②に係る過失による原告らの損害の有無及び額(争点 3),④過失相殺の可否(争点4)であり,これらの点に関する当事者の主張 は以下のとおりである。 (1) 争点1(3度目の授乳の不存在を前提とする被告(被告病院の医療従事 者)の注意義務違反ないし過失の有無) (原告らの主張) ア 3度目の授乳の不存在 原告Cには3度目の授乳についての記憶がなく,3度目の授乳について 記載されている被告病院の看護記録は事後に作成されたものであること, 原告Cについて被告病院が作成した診療録(以下単に「診療録」とい う。)には「20:15頃 児:状態悪化とのTEL」と記載されてお り,3度目の授乳の存在と矛盾する記載があること,原告Cのマタニティ ークラステキストには,3度目の授乳の記載がないことからすれば,3度 目の授乳が行われたかについては疑問がある。 イ 被告(被告病院の医療従事者)の注意義務違反ないし過失 被告病院は,授乳時以外は原告Aを看護室で預かっており,その間,原 告Aの経過を慎重に観察する義務があり,特に,原告Aは出産直後のアプ ガースコアが低く,蘇生措置が採られた巨大児であり,蘇生後,合併症を 続発したり,低血糖になるなどの可能性があったのであるから,通常の新 生児よりも慎重に観察すべきであった。 原告Aが自発呼吸のない状態になるまで,看護室における原告Aの経過 観察に関する記録がなく,慎重に観察を行っていた痕跡がない以上,被告 が原告Aの経過観察義務を怠っていたといわざるを得ない。 (被告の主張) ア 3度目の授乳の不存在について 3度目の授乳が存在した事実は,診療録の記載等から明らかであり,こ れを虚偽であるとする客観的事情は存在しない。 原告Cは,精神科医師により意識障害,逆行性健忘,その他の原因によ り記憶障害が生じたと考えられる旨診断されており,原告Cに記憶がない ことが3度目の授乳の不存在を証するものではない。また,「20:15 頃」との診療録の記載は,蘇生措置等が一段落した時点で呼ばれた産婦人 科のF医師が「23:15頃」と記載すべきところを誤記したものと推察 される。また,マタニティークラステキストに3度目の授乳の記載がない のは,これを見直すたびに本件を思い出して心を痛める原告Cに配慮した こと等によるものであり,いずれも3度目の授乳がなかったことを証する ものではない。 イ
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。