事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(ワ)172 |
| 判決日 | 2012-11-09 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 過失 (原告の主張) 被告は原告から貸与された車両を善良な管理者の注意義務をもって扱う責任 があるところ,被告が乗客を降車させた場所は,車両を転把するのに十分なス ペースがあり,自車前方に相当の範囲にわたって滞留している雨水があること を認識できたのであるから,乗客を降車させた後そのまま進行した場合には, 滞留水に突っ込んで車両が損傷する可能性があることを容易に予想し得たにも かかわらず,できるだけ滞留水の場所を避けて慎重に進行させたり,自車に追 随する車両の通過を待って後退したり,転把するなど滞留水を回避して進行す ることが容易であったにもかかわらず,漫然,滞留水中に本件車両を突っ込ま せてエンジン部に雨水を浸入せしめ,もって,本件車両をエンジン停止により 走行不能ならしめて故障させた。 (被告の主張) 本件事故は,極めて短時間の未曾有の豪雨によって,急激な道路の冠水がも たらされたものであり,タクシー乗務員である被告が本件事故発生時間帯にお いて,エンジン停止を招来するほどの急激な増水が発生することを具体的に予 見することは不可能であった。また,本件事故現場は,現場の標高や排水状況 等の性質からして,急激な冠水をもたらす現場であるところ,一般のタクシー 乗務員が逐一現場の性質の詳細を把握することは困難であるし,本件事故発生 時は夜間であり,被告が詳細な冠水状況を把握することはできなかったという 事情もある。さらに,このような夜間で見通しのつかない中,本件事故直前に 本件事故現場を通過した車があったのであるから,本件車両も同様に通過でき るものと考えるのは自然であり,エンジンを停止させるほどの浸水を被ること を予見するのは困難である。 これらに加え,道路運送法に基づく旅客自動車運送事業運輸規則20条によ れば,異常気象時等における措置として,「旅客自動車運送事業者は,天災そ の他の理由により輸送の安全の確保に支障が生ずるおそれがあるときは,事業 用自動車の乗務員に対する必要な指示その他輸送の安全のための措置を講じな ければならない」とし,さらに同運輸規則の解釈・運用によれば,この「必要 な指示」とは,暴風警報等の伝達,避難箇所の指定,運行の中止等の指示をい うところ,旅客運送業を行う原告としては,「必要な指示」として,警報等の 伝達のほか,道路の冠水状況を他のタクシー乗務員や公務所等から適切に情報 収集するなどして,迅速にタクシー乗務員に情報提供した上で,道路の冠水が 報告されている地域への輸送については,必要に応じて運行の中止等を指示し なければならず,また,原告事務所前の道路が冠水していたにもかかわらず, 「いつものことですから」と被告に対して何ら注意を促すことなく出庫させた 上で,無線にて営業活動するよう漫然と営業指示を行ったのであり,
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。