災害弔慰金不支給処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号平成25(行ウ)7
判決日2014-12-17
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件処分には,Aの死亡と本件震災との間に相当因果関係が
あるにもかかわらずこれをないと判断した違法があるか否かであり,これに関
する当事者の主張は,次のとおりである。
(原告の主張)
本件処分を行うについては,処分行政庁に一定の裁量があると考えられるが,
他方,災害弔慰金は,遺族に対する弔意及び支援の趣旨で給付するものであり,
この趣旨に鑑みれば,その支給対象となる災害関連死はできる限り広く緩やか
にとらえるべきであって,相当因果関係について医学的見地からの厳格な因果
関係を要求すべきではなく,災害がなければその時期に死亡することはなかっ
たと認められることで足りるというべきである。
Aの死亡は,本件震災後,B施設の電気,ガス,水道が使用できない状態と
なり,B施設内の気温が極めて低い状態となったことなどの本件震災によるB
施設内の環境の悪化に基因することは明らかであるから,Aの死亡と本件震災
との間には相当因果関係が認められる。それにもかかわらず,Aの死亡と本件
震災との間に相当因果関係は認められないと判断した本件処分には,裁量権を
逸脱又は濫用した違法があるから,本件処分は取り消されるべきである。
(被告の主張)
本件処分に際して,専門家委員で構成される本件審査会は,原告から提出さ
れたAの診療カルテ,B施設作成の見解書,ケース記録等を基に,Aの死亡と
本件震災との間には相当因果関係は認められないと判断し,その旨を処分行政
庁に対して答申した。
処分行政庁は,本件震災後にB施設の生活環境が極度に悪化したことはなく,
Aにおいて食料や水分の摂取が不十分であったともいえず,また,認知症を患
っていたAには,B施設の職員による生活の管理が継続されていた以上,生活
の不便によるストレスはなかったのであり,本件震災当時99歳6か月であっ
たAの年齢も考慮すれば,Aの死亡に結びつく震災関連事実を見出すことはで
きないというべきであるから,前記判断には合理性があると認め,Aの死亡と
本件震災との間には相当因果関係は認められず,災害弔慰金の支給要件を満た
さないとして本件処分をしたものであって,裁量権の逸脱又は濫用はない。

主文(判決文より)

1 処分行政庁が原告に対して平成24年10
月3日付けでした災害弔慰金を支給しない旨
の処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。