事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(ワ)486 |
| 判決日 | 2015-03-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法697条、民法698条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 震災後に被告がVを保護すべき義務の有無及び内容(争点1) (2) 被告のVに対する注意義務違反の有無(争点2) (3) 被告の注意義務違反とVの死亡との相当因果関係(争点3) (4) 損害額(争点4) (5) 過失相殺(争点5) (6) 損益相殺(争点6) 3 争点に対する当事者の主張 (1) 震災後に被告がVを保護すべき義務の有無及び内容(争点1) (原告らの主張) ア 契約に基づく義務 Vは,被告との間で本件利用契約を締結しており,また,震災当日, 被告の職員が原告X1との間で被告においてVを預かる旨の合意をした から,被告は,本件事故当時,契約上の義務として,施設利用者である Vの行動を注視し,その身体的安全が確保されるよう適切に配慮すべき 義務(安全配慮義務)を負っていた。 イ 事務管理の管理者としての注意義務 被告が震災後にVを預かっていた行為が事務管理(民法697条)で あったとしても,被告は,Vが高次脳機能障害を有し,常に監視介助又 は個室隔離が必要とされていることを十分に認識しながら自己の施設内 でVを預かっていたのであるから,契約に基づく安全配慮義務と同様の 義務を負っていたというべきである。 本件事故は,震災の緊急状況下を脱し,震災による混乱が相当程度落 ち着いた段階における被告の業務再開に向けた動きの中で発生したもの であるから,緊急状況下と称して責任を回避しようとする被告の態度は 容認できない。 (被告の主張) ア 契約に基づく義務について 本件利用契約は,bの施設の利用契約にすぎず,本件利用契約上,震 災時における被告の義務は,緊急時連絡先である原告X3に速やかに連 絡するところまでであって,親族である原告らが一向に迎えに来ないV を,いつまでも預かる義務はない。 また,被告の職員は,震災当日,原告X1に連絡を取った際,Vが仙 台一高に避難していることは知らせたが,Vをいつまでも預かることに 同意したことはない。そもそも同職員には,被告を代理してそのような 合意をする権限はない。 イ 事務管理の管理者としての注意義務について 被告がVをcの施設に宿泊させた行為は,震災から約10日しか経っ ておらずライフラインが復旧せず都市機能が混乱した状態の中で,原告 らが引き取りに来ようとせず,行政からもふさわしい場所が提供されな いVに対し,見るに見かねて緊急避難的に寝食の場所を提供したもの で,緊急事務管理(民法698条)であったから,被告はこれについて 悪意又は重過失が認められない限り損害賠償責任を負わない。 (2) 被告のVに対する注意義務違反の有無(争点2) (原告らの主張) ア Vを一人にしてはならない注意義務違反(主位的主張) 被告は,高次脳機能障害を有するVが失見当識により徘徊する傾向が あることを認識していたから,
主文(判決文より)
1 被告は,原告X1に対し,611万4477円及びこれに対する平成23 年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告X2に対し,550万円及びこれに対する平成23年3月2 4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告X1に生じた費用の20分の17を同原告の負担とし, 原告X2に生じた費用の20分の17を同原告の負担とし,原告X3に生じ た費用を同原告の負担とし,被告に生じた費用の5分の2を原告X1の,5 分の2を原告X2の,20分の1を原告X3の各負担とし,その余を被告の 負担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。