住居侵入,強盗致傷被告事件

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号平成27(わ)559
判決日2016-03-17
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
被告人が,乙方居室に侵入して同人所有のノートパソコンを盗み(以下「本件
窃盗」という。),その後,被告人を追跡してきた丙の顔面を左げん骨で2回殴る
暴行(以下「本件暴行」という。)を加えて,同人に傷害を負わせたことは争い
がない。本件では,本件暴行が窃盗の機会継続中になされたかが,強盗致傷罪の
成否の関係で,問題となっている。
当裁判所は,被告人が本件窃盗の機会に本件暴行をしたと認められ,被告人
には強盗致傷罪が成立すると判断したので,以下,その理由を説明する。なお,
本件では,被告人が本件に関する具体的な記憶を欠いている一方で,丙ほか関
係者の供述の信用性には問題がないから,関係証拠により認められる事実を取
り上げつつ検討を進める。以下,時刻は,平成27年8月27日のものである。
2 窃盗の機会とは,窃盗と暴行が時間的・場所的に近く,被害者等から容易に発
見されたり,捕まえられたり,盗んだ物を取り返されたりする状況が継続してい
る場合をいう(最決平成14年2月14日刑集56巻2号86頁,最判平成16
年12月10日刑集58巻9号1047頁等参照)。
3 丙が被告人を発見した後の状況
弁護人は,丙が被告人を大学寮の共通棟(以下,前記寮の棟を「共通棟」「A
棟」などと略称する。)で発見する前に窃盗の機会が失われていたと主張するの
で,丙が被告人を発見して以降の状況について,一応検討する。
丙は,共通棟で警備員を見付けることができなかったため,共通棟から出てD
棟方向へと向かい,D棟の南側出入口からD棟1階に入ると,被告人が,D棟1
階通路(以下「本件発見現場」という。)において,連続して素早く3部屋の居
室のドアノブに手をかけ,ドアノブを回しているのを発見して,窃盗犯人ではな
いかと疑い,「ノートパソコン見ませんでしたか。」と被告人に話しかけて被告
人のリュックサックをつかんだが,被告人はそれを振り切り,自己が窃盗犯人で
あると疑われていることも認識してD棟南側出入口から逃走を開始した。丙は,
午後11時7分頃に窃盗犯人を見付けた旨電話で乙に連絡しつつ,すぐに被告
人の追跡を開始し,その後見失うことなく被告人を追い掛け,本件発見現場か
ら約338メートルの地点において,被告人のリュックサックをつかんだとこ
ろ,被告人は,リュックサックからノートパソコンを取り出して地面に放り投
げ,逃走を続けた。丙が,さらに被告人を追って,午後11時12分頃,その
リュックサックをつかむと,被告人は,本件発見現場から約363メートルの
地点において,丙に対し,本件暴行を加えた。丙は,本件発見現場において被
告人を発見してから本件暴行を受けるまでの間に,被告人を見失うことなく追
いかけていたのであるから,被告人を発見してから本件暴行を受けるまでの間
に,約5分間が経過

主文(判決文より)

被告人を懲役3年に処する。
この裁判確定の日から5年間その刑の執行を猶予する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。