業務上横領,詐欺,窃盗

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号平成28(わ)39
判決日2017-02-02
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は,被告人に業務上横領罪の故意が認められるか否かであり,弁護人
は,J所有の預金及び現金について,被告人は,①自己の所有する財産である
と誤信していたか,②他人の財産であっても自己の用途に充てる目的で費消
することができるものと誤信していたから,業務上横領の故意を欠く旨主張
し,被告人もこれに概ね沿う供述をする。
2 ①自己の所有する財産である旨誤信したとの主張について
⑴ JのC1銀行口座もC3銀行口座も,当然ながら名義はJのもの
で,そこにJのための災害弔慰金,災害義援金等が振り込まれていたのであ
るから,各口座の預金や払い戻された現金(判示第4の1,第4の2及び第
4の4に係る預金及び現金)がJの所有に属することは明白であり,被告人
も,前記災害弔慰金,災害義援金等の請求手続等を通じて,それがJに属す
ることを認識していた。被告人がこれらの性質を誤解するような事情はうか
がわれない。
⑵ 弁護人は,主として,判示第4の3に関し,被告人は,本件当時,被告人
名義の株式会社C1銀行D8支店の口座(以下「被告人のC1銀行D8支店
口座」という。)に振り込まれたM労働組合との団体生命共済契約に基づく
B及びLの死亡共済金(以下「本件共済金」という。)合計6000万円
や,同口座から払い戻した現金合計3795万5843円(判示第4の3に
係る現金)については,被告人の所有に属する旨誤信していたと主張する。
しかし,下記のとおり,この点も,採用することができない。
⑶ 本件共済金は,前記共済契約に基づき,第一順位の受取人であるJに対し
支払われたものであり,被告人に受け取る権利はない。被告人は,共済金支
払請求書の共済金受取人欄に被告人の氏名を,受取口座欄に被告人のC1銀
行D8支店口座を記載しているが,窓口の担当者Nから本件共済金を請求す
るためには受取人であるJの未成年後見人になる必要があることなどの説明
を受け,これに応じて,被告人がJの未成年後見人として選任された旨の審
判書謄本や,JとB及びLの関係を示す戸籍謄本を提出している。したがっ
て,被告人は,あくまでJの未成年後見人の立場で本件共済金を請求してい
る旨認識していたと認められる。後記会話の内容も併せ鑑みると,本件共済
金がJに属することを認識していたというべきである。
⑷ この点,被告人は,担当者Nから,いやらしい声で本件共済金は被告人の
ところに入る,被告人名義の口座でなければ振り込めないなどと言われたた
め,被告人自身の金だと思った旨供述する。しかし,担当者として契約上の
受取人を把握し,かつ,未成年後見人に選任される必要があることを示唆し
たNがそのような説明をするのは不自然であるし,上位にある宮城県支部の
確認を受ける必要があったことに照らしても考え難く,N自身も被告人の口
座に指定し

主文(判決文より)

被告人を懲役6年に処する。
未決勾留日数中240日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。