事件の基本情報
| 裁判所 | 仙台地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ワ)468 |
| 判決日 | 2017-07-13 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,(1)Dの死因,(2)被告Eに添付文書に違反してDにオーソM -21を処方した注意義務違反があるか,(3)被告EにDに血栓症に関する指 導をしなかった注意義務違反があるか,(4)上記各注意義務違反とDの死亡と の間に因果関係があるか,(5)損害の発生及び額であり,これらの点に関する 当事者の主張は,以下のとおりである。 (1) Dの死因 (原告らの主張) Dの死亡に至る経過,救急搬送記録及び診療録の記載等によれば,Dの死 因は肺塞栓による呼吸不全である。 (被告らの主張) Dは死後に病理解剖されておらず,その死因を特定することはできない。 また,肺塞栓は,血液凝固能の亢進がリスク因子となって生じるところ,D の心肺停止後の出血・凝固検査結果によれば,PT(プロトロンビン時間。 血液凝固による血栓形成・補強という二次止血能のうち,特に外因系凝固因 子を評価するもの。PT%は80%~120%が基準値とされ,活性の低下 は凝固能低下を示す。)の活性の低下,APTT(活性化部分トロンボプラ スチン時間。二次止血能のうち,特に内因系凝固因子を評価するもの。25 ~40秒が基準値とされ,55秒以上の高度延長では凝固因子の欠乏症の可 能性がある。)の高度延長が見られた。これらの数値は血液凝固因子が不足, 欠乏し,むしろ出血をきたしやすい状態となっていることを示唆するもので あり,肺塞栓の症状と整合しない。 (2) 被告Eに添付文書に違反してDにオーソM-21を処方した注意義務違反 があるか。 (原告らの主張) ア オーソM―21の添付文書は,本件記載のとおり,高血圧のある患者へ の処方を禁忌としている。 平成21年4月21日のDの血圧は,拡張期が112mmHgであり, WHO基準の分類4に該当した。また,同年5月18日のDの血圧は,収 縮期が141mmHg,拡張期が95mmHgであり,WHO基準の分類 3に該当した。したがって,上記の2日のDの状態は,上記添付文書が禁 忌とする高血圧に当たる。 イ そうすると,被告Eには,平成21年4月21日及び同年5月18日, Dに対し,オーソM-21を処方しない注意義務があったにもかかわらず, これを処方した注意義務違反がある。 (被告らの主張) ア 平成21年4月21日のDの血圧は,形式的にはWHO基準の分類4に 該当するが,血圧は,被測定者の体調を含む測定環境によって大幅に変動 することから,一過性の変動ではなく,継続的な測定結果に基づき評価を することが必要であるところ,Dの同日前後の血圧を含めた平均血圧はW HO基準の分類3にとどまる。そして,同分類3は軽度な高血圧にすぎな いから,Dへの処方は上記添付文書が禁忌とする高血圧のある患者への処 方に当たらない。 また,同年5月18日のDの血圧は,WHO基準の分類3に
主文(判決文より)
1 被告らは,原告Aに対し,連帯して2675万8614円及びこれに対する 平成26年5月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告Bに対し,連帯して1709万6407円及びこれに対する 同日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告らは,原告Cに対し,連帯して1709万6407円及びこれに対する 同日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 原告らのその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は,これを20分し,その3を原告らの負担とし,その余を被告ら の負担とする。 6 この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。