危険運転致死傷被告事件

事件の基本情報

裁判所千葉地方裁判所
事件番号平成24(わ)1330
判決日2013-05-23
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法54条1項、刑法208条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件の主な争点は,被告人が進行を制御することが困難な高速度で
本件道路を走行したと認められるかであるところ,以下の理由から危険
運転致死傷罪の成立を認めた。
第2 「進行を制御することが困難な高速度」について
1 本件道路において,被告人車両と同型の車両(以下「実験車両」
という。)で実験走行をした証人丁の供述は,2で検討するように信
用できるから,次の事実が認められる。
 第1勾配を時速約80キロメートル以上で通過,走行した場合,
第1勾配通過後,実験車両は強く上下動等するため,サスペンショ
ンは大きく伸縮し,車両のタイヤと路面との間に摩擦が全くないか,
ほとんどない状態,すなわち「ゼロG状態」が断続的に生じ,それ
が解消されないまま第2勾配に進入して本件事故現場である交差
点付近まで「ゼロG状態」が連続して生じる。
 「ゼロG状態」では,不用意にハンドル操作やブレーキ操作を
すると車両がスピンするおそれがあるため,的確に進行させるには,
腰を座席のシートに押しつけるなどして固定する運転姿勢を保ち
ながら,車両の上下動の衝撃によって不用意な操作をしないようハ
ンドルを弱く握り,車にバランスのずれが生じた場合には,タイヤ
が路面に接着している瞬間に,わずかなハンドル操作をしてこれを
(cid:1) (cid:3)
修正することなどが必要である。
2 丁供述は,約30年にわたる多数のカースタントの経験に基づく
具体的なものであり,走行実験の模様を撮影した映像における車両
の動静や丁のハンドル操作の状況等を合理的に説明している。なお,
第1勾配通過後に「ゼロG状態」が生じるとの供述部分は,丁自身
の経験と走行実験中の体感から導いた内容ではあるが,自動車工学
の専門家である証人戊の供述により裏付けられている。また,走行
実験時には降雨のため路面が滑りやすくなっていたが,この点は,
「ゼロG状態」を発生させる点には影響がないとの供述部分も説得
的である。結局,丁の供述は信用できる。(cid:1)
なお,走行車線やアクセルペダルを離すタイミングに,被告人の
走行時と走行実験時で若干の差異があるが,丁は,安全性を保つた
めにセンターライン付近を走行した旨述べているし,アクセルペダ
ルを離したタイミングの遅れはわずかな差異にすぎないことに照ら
せば,これらの点が丁供述の信用性を左右するものではない。
3 そうすると,「ゼロG状態」が生じた車両につき前記1で求めら
れるような高度な運転操作を普通の運転者が行うことは極めて困難
であるから,被告人車両で第1勾配を通過するにあたり,時速約8
0キロメートル以上で走行することは,ハンドルやブレーキ操作な
どのわずかなミスが加わるだけで,自車を道路状況に応じて的確に
制御して進行させることが困難な状態になるといえる。(c

主文(判決文より)

(cid:1)
被告人を懲役7年に処する。(cid:1)
未決勾留日数中90日をその刑に算入する。(cid:1)

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。