事件の基本情報
| 裁判所 | 千葉地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成25(ワ)616 |
| 判決日 | 2013-11-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 本件においては,本件弁済が破産法162条1項1号の否認の対象となるか どうかに関連して,次の点が争われている。 破産者の支払不能,被告の悪意(争点1) (原告の主張) 本件弁済は,破産者が支払不能になった後にした行為である。被告は,生 活保護の手続を通じ,破産者の支払不能の事実を知っていた。 (被告の主張) 否認ないし争う。 本件弁済の有害性,不当性(争点2) (被告の主張) 本件弁済は,次のとおり,有害性及び不当性を欠くから,否認の対象とな らない。 ア 有害性について 本件弁済は,次の諸点に照らすと,破産者の責任財産を減少させるもの には当たらず,有害性を欠く。 保護費の給付は,被保護者の最低限度の生活を維持するためにするも のであり,その場合の費用返還義務の履行は,既に給付した保護費の範 囲内でするものであって,いずれも,一般債権の引当てとなる責任財産 の領域ではなく,自由財産の領域に属する事項である。 保護費の給付は,費用回収(費用返還義務の履行)の可能性を考慮し ないでするものであって,回収を予定した信用供与行為とは異なる。 本件資産は,本来,破産者の最低限度の生活のために活用すべきであ ったにもかかわらず(生活保護法4条1項),保護費の給付があったた めに残存していたものである。本件弁済は,そのような本件資産の対価 等を保護費の範囲内で返還したものであって,破産者の責任財産を減少 させる性質のものではない。 イ 不当性について 本件弁済は,次の諸点に照らすと,不当性を欠く。 生活保護法によれば,生活保護は,生活に困窮する者がその利用し得 る資産等をその最低限度の生活の維持のために活用することを要件とし て行われるが(同法4条1項),このことは,急迫した事由がある場合 に必要な保護を行うことを妨げるものではなく(同条3項),被保護者 が急迫の場合等において資力があるにもかかわらず保護を受けたときは, 速やかにその受けた保護費等の範囲内で保護の実施機関の定める額を返 還しなければならない(同法63条)。このような保護の補足性の原則 の規定,その例外規定及びその例外により支弁された範囲内での費用返 還義務に関する規定をみると,費用返還義務の履行は,保護の補足性を 全うする機能を果たすものというべきである。 本件においても,本件資産は,破産者の最低限度の生活を維持するた めに活用することが要請され,一般債権の引当てとなることが期待され ないものであって,本件弁済は,そのような本件資産ないしその対価等 が破産者の最低限度の生活の維持を超えた使途に活用されることを防止 し,保護の補足性の原則を全うするものである。それにもかかわらず, 本件弁済が否認されるとすると,本件資産ないしその対価等は,破産者 の最低限度の生活の維持を超えた
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,161万5956円及びこれ に対する平成25年3月29日から支払済みまで年5 分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。