事件の基本情報
| 裁判所 | 千葉地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)2315 |
| 判決日 | 2018-08-30 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 第1 覚せい剤の営利目的所持(判示第1の事実)について 1 争点 弁護人は,覚せい剤の営利目的所持(判示第1の事実)について,ホテルの部屋に 忘れた紙袋の中の茶封筒から発見されたチャック付きビニール袋入り覚せい剤(以下 「本件覚せい剤」という。)は,被告人と一緒に部屋を利用したIのものであり,被告 人が所持したものではない,と主張する。 2 I証言の要旨及びその信用性 ⑴ I証言の要旨 Iは,要旨,「被告人とはパチンコ仲間として付き合っており,本件当日,二人でホ テルに泊まった。ホテルの部屋に忘れた紙袋は自分のものである。紙袋には,自分の 書類や夫の携帯電話機を入れていたが,本件覚せい剤が入った茶封筒を入れたことは なく,自分のものではない。それが入っていたことも知らなかった。一緒にホテルの 部屋を利用した被告人のものではないかと想像はできるが,いつどこで紙袋に入った かは分からない」などと証言する。 ⑵ I証言の信用性 ア 本件覚せい剤が入った茶封筒は,Iの持っていた紙袋の中から発見されており, まずIの関与が疑われる状況にあるのに,I証言には,曖昧かつ不自然な点がある。 すなわち,I名義の貯金口座の取引履歴(弁11)によれば,本件覚せい剤をホテル の部屋に忘れた当日,Jなる者からIに対して38万円もの振込がされており,その 後同口座から42万円が引き出され,13万円が被告人に送金されている。被告人と Iは一緒に覚せい剤を使用する仲でもあり,Iのこのような多額の金銭のやり取りは 本件覚せい剤に関するものではないかとの疑いもあるところ,Iは,上記取引履歴に ついて,「Jから生活費として38万円を借りたが,どういう状況で借りたのかは覚 えていない。部屋を借りるために42万円を引き出したがパチンコ代に全て費消した。 パチンコで勝った13万円を被告人に送金したのだと思うが,何のために送金したの か,なぜ被告人と一緒にいる間に引き出した42万円の中から直接手渡ししなかった のかは分からない」などと曖昧かつ不自然な説明をしている。I証言の全てを直ちに 信用することはできない。 イ しかし,本件覚せい剤が在中していたチャック付きビニール袋から被告人の指 紋が検出されていること,本件覚せい剤が入っていた紙袋の中には,Iではなく被告 人が当時吸っていた銘柄のたばこ1箱が入っていたことなどの客観的な事実に照ら すと,I証言は一定の合理性を持つ部分もある。また,Iは,本件覚せい剤が入った 茶封筒の所有者や覚せい剤が紙袋の中に入った経緯は分からない旨証言しており,殊 更被告人に不利な証言をしているわけでもない。更に後記の被告人の自白と併せて検 討すると,本件覚せい剤は自分のものではなく,被告人が紙袋に入れたのではないか とのI証言は,その限度で信用できる。 3
主文(判決文より)
被告人を懲役10年及び罰金30万円に処する。 未決勾留日数中450日をその懲役刑に算入する。 その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算 した期間被告人を労役場に留置する。 千葉地方検察庁で保管中の覚せい剤6袋,指定薬物4袋,大麻3袋(ラ ップで包まれ,チャック付きビニール袋に在中しているもの)を没収す る。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。