事件の基本情報
| 裁判所 | 広島地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(わ)656 |
| 判決日 | 2010-11-01 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①被告人が,本件少年に対し,公訴事実記載の暴行及び陵辱・ 加虐の行為とされている行為を行ったか否か(被告人が行った行為の内容),② 上記①を前提として,特別公務員暴行陵虐罪の成否(構成要件該当性及び違法性 阻却事由の存否)である。 弁護人は,被告人が公訴事実記載の行為を行ったことはない上,被告人が本件 少年に対して行った行為は,少年院という矯正教育の場において,正当な目的 (教育上の指導目的及び保安上の目的)から行われたものであることなどに照ら すと,特別公務員暴行陵虐罪として問擬すべきものではないから,被告人は無罪 であると主張するので,以下検討する(以下,人名については,特に断らない限 り,初出のとき以外は名の表示を省略する。)。 2 前提事実 関係各証拠によれば,本件に至る経緯及び本件前後の状況等について,以下の 事実が認められる。 (1) 被告人は,昭和61年4月に法務教官として採用され,h少年院で勤務し始 め,そのころから,発達の視点を取り入れた矯正教育のあり方を研究・実践し てきた。その後,各地の少年院等で勤務し,平成15年4月からf矯正管区で 勤務した後,平成17年4月から平成19年3月までの間,首席専門官として f少年院において勤務した。 (2) f少年院は,平成14年ころ以降,いわゆる荒れた状態(在院者による規律 違反が横行し,暴力やいじめのほか,教官の指導に従わずに反抗することもあ るような状態)であり,その後の取組みによって改善されたものの,被告人が 着任した当時,まだ荒れた状態は残っており,被告人もこのような経過を熟知 していた。 被告人は,f少年院のこのような状況を建て直すため,長年にわたって研究 ・実践してきた指導方法に基づき,集団処遇と個別処遇を組み合わせて,「統 制,参加,委任」という段階的な指導方法のほか,個々の在院者の特性に応じ て発達の視点を取り入れた指導方法を導入し,そのような処遇や指導方法を他 の法務教官に対して教示する傍ら,自らも院内を頻繁に巡回したり,少年との 個別面接を繰り返すなどして,これを実践しており,一定の成果を上げていた。 (3) 本件少年は,平成17年2月にf少年院に入所した後,規律違反行為を繰り 返しており,同年3月に2回,同年4月に1回それぞれ訓戒処分を受け,同年 6月には謹慎3日の処分を受けた。また,本件少年が所属していた第1学寮は, 規律違反が相次いだため出寮停止となり,寮生全員が寮内で終日内省をしてい た最中であったにもかかわらず,同年9月13日,本件少年は,巡回中の被告 人を目で追ったことにより,被告人から厳しく注意を受けた。 (4) 本件当日である同月16日(金曜日)は,午前9時30分から進級式が行わ れたが,その際に年長少年が所属する第2学寮の在院者で礼の仕方が悪い者が
主文(判決文より)
被告人を懲役10月に処する。 未決勾留日数中70日をその刑に算入する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 訴訟費用は全部被告人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。